「ヤングは、僕が最も好きなKDとブッカーを指導していた」

2026年NBAドラフトで全体1位の最有力候補と言われているAJ・ディバンツァが、2025年秋からブリガムヤング大に進学すると発表した。早くから世代屈指の逸材と評価されていた206cmのウイングプレーヤーは、今夏に行われたU17ワールドカップにアメリカ代表として出場。1試合平均14.1得点、4.1アシスト、3.9リバウンドを挙げチームの優勝に貢献した。

来秋の大学入学組には元NBAオールスター選手カルロス・ブーザーの息子であるキャメロン・ブーザーなど有名な選手が多数いる。だが、『ESPN』、『247SPORTS』、『On3』といった有望高校生を紹介する主要サイトは揃ってディバンツァを全米ランキング1位に位置付けている。

ブリガムヤング大はブーザーが入団するデューク大といった名門校に比べると実績、知名度に劣る大学だ。過去4年間で、2度NCAAトーナメントに出場しているがいずれも1回戦敗退に終わり、近年はNBAで活躍する選手も輩出していない。それでも多くの名門校から誘いを受けたディバンツァがブリガムヤング大を選んだのは、今シーズンから同大を率いるケビン・ヤングヘッドコーチの存在が大きい。

43歳のヤングは、2020-21シーズンから昨シーズンまでサンズのアシスタントコーチとして活躍。ここ数年は、複数のNBAチームでヘッドコーチ候補として名前が挙がるなどその手腕を高く評価され、年俸も1年平均200万ドル(約3億円)以上とアシスタントとしてはリーグ最高クラスの待遇だった。だが、結果としてNBAでヘッドコーチの職を得られず、今シーズンから大学へと活動の舞台を移した。ヤングとブリガムヤング大との契約は7年総額3000万ドル(約30億円)と言われている。

『ESPN』の取材に対し、ディバンツァは「BYU(ブリガムヤング大)はヘッドコーチ以下、スタッフ全員がNBA出身だ。ヘッドコーチのケビン・ヤングは、僕が最も好きなKD(ケビン・デュラント)とデビン・ブッカーを指導していた。そして2人とも、コーチについて良いことをたくさん言っていた」と語る。

まだまだ先の話ではあるが、ブリガムヤング大がヤングとディバンツァのコンビでNCAAに旋風を巻き起こせるのか注目だ。