モッチとともにチームを牽引し敢闘賞を受賞
関東大学リーグは18勝4敗の東海大が3年ぶり5回目の優勝を収めた。17勝5敗と1ゲーム差で涙を飲んだのは大東大だった。
準優勝は大東大にとって創部以来最高の成績と話す4年生の熊谷航だったが、「自分たちのミスで2位になってしまいました。1位を取れると思っていたので悔しさのほうが大きいです」とリーグ戦を振り返った。
熊谷は高いバスケIQとシュート力を持つ正統派のポイントガードだ。173cmと上背はないものの、鋭い出足と読みでディフェンス能力も高い。U-22男子日本代表にも選出された実績を持ち、リーグ戦では敢闘賞を受賞した。
大東大は熊谷や留学生のモッチ・ラミンのような強烈な個を擁するが、そこに頼らずチームとして戦う術を持ち、現在の地位へ登り詰めた。「ガードはガードと、ポジションごとに役割ははっきりしています。ビッグラインナップではないんですけど、センターに留学生がいて、うまく使いながら日本人も生きるようなバスケットができています」と熊谷は言う。
「いかに後輩たちを試合に絡ませていくか」
リーグが終わったばかりだが、約1カ月後には大学日本一を決めるインカレがスタートする。大東大は昨年のインカレで筑波大の4連覇を阻み王者となった。今年は連覇を目指すことになる。
「連覇はしたいですけど、そこで思い込みすぎてしまうとあまり良くないと思うので。目の前の試合に勝つことを目標にやっていけば結果が見えてくる」と熊谷は連覇を過剰に意識せず、自然体で臨む構えだ。
インカレはリーグ戦と違いトーナメント方式で行われる。昨年から主力として活躍し、インカレ優勝に貢献した熊谷は「一発勝負なので、調子が悪いとかそういう言い訳ができない」と話し、「シュートはその日の波がありますが、ディフェンスに関しては波がないので、ディフェンスが一番大事です。もっとチームのディフェンス力を上げていきたい」と守備の重要性を語った。
インカレは4年生にとって大学バスケの最後の大会だが、それと同時に下級生の成長の場でもある。それを理解している熊谷は、「今の4年生は下級生のころから出ていますが、今の下級生は逆に試合にあまり出てない選手が多いので、1試合でも多く勝つことで下級生に経験を積ませたい」と意気込む。
もちろん、試合に勝利して連覇を達成することが一番の目標だが、熊谷は「自分たちが試合に出場しつつ、いかに後輩たちを試合に絡ませていくかが重要です。そういった経験をさせたいです」と大東大の今後も見据えた。後進に道を開くことも視野に入れ、熊谷は最後の大会に臨む。
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