「得点だけ重ねるということにあまり意味を感じていません」
昨日の千葉ジェッツ戦で、国内トップリーグにおける通算得点を9000に乗せたレバンガ北海道の折茂武彦。前人未踏の記録を達成した『レジェンド』だが、記録はあくまで通過点と考えており、プロ選手として『目の前の一勝』にこだわる意識が先に来る。
試合後、ファンに向かってマイクを握った時も、会見場で報道陣と向き合った時も、折茂は記録より敗れた試合について先に触れている。「残念ながら内容のない試合になってしまいました」と試合を振り返り、勝利を届けられなかったことをファンに詫びた。
折茂の代名詞とも言うべき3ポイントシュートで通算9000得点を達成したが、本人によれば「狙っていたわけではなく、前日3ポイントの試投数が少なかったので打ちにいった」とのこと。
周囲の祝福ムードに照れ笑いこそ浮かべるものの、本人は記録達成をクールに受け止めている。「昨年大きなケガをしたので時間がかかってしまいましたが、一つひとつの積み重ねが大事であり、得点だけ重ねるということにあまり意味を感じていません」
「数字を残すことが目的ではなく、チームの勝利に貢献することだと思っています。記録は終わった後に振り返るものですので、目標を定めず、1試合1試合を常に全力で取り組んでいきたいと思います」
川崎を筆頭に強豪との対戦が続くオーバーカンファレンス
ちなみに、折茂が通算7000得点を記録したのは2011年11月5日のこと。8000得点は2013年3月2日だった。7000点から8000点まで積み上げるのに1年半を要したのに対し、今回は3年半かかっている。ケガもあって得点のペースは落ちたが、今シーズンの折茂は老いを感じさせない。先の計算をすることなく目の前の試合に集中することで、プロ野球の山本昌、Jリーグの三浦知良と同じ高みにまで達するかもしれない。そんな気さえ起こさせる。
とはいえ、折茂自身にそんな思いはないのだろう。今日が休養メインで過ごし、明日だけが練習日、木曜には川崎に移動して金曜に試合。そこに向けて意識はもう切り替えられているはずだ。
変則日程の多い北海道。今週は月曜にホームゲームがあり、金曜には次の試合が控えている。中3日でNBL王者の川崎ブレイブサンダースと敵地で戦い、以後は名古屋ダイヤモンドドルフィンズ、アルバルク東京とBリーグで結果を出している旧NBL勢との対戦が続く。北海道にとっては厳しい日程だが、いずれにしてもどこかで『BREAK THE BORDER』しなければ下位からは抜け出せない。
折茂の記録達成とオーバーカンファレンス開始、さらには西川貴之と牧全の復帰。この3つのいずれかを浮上のきっかけにしたいところだ。
折茂武彦 通算9000得点までの道のり
93-94 10試合 193得点
94-95 16試合 233得点
95-96 16試合 229得点
96-97 15試合 283得点
97-98 16試合 339得点
98-99 16試合 318得点
99-00 16試合 340得点
00-01 21試合 418得点
01-02 17試合 345得点
02-03 21試合 434得点
03-04 28試合 632得点
04-05 28試合 382得点
05-06 26試合 235得点
06-07 24試合 233得点
07-08 34試合 556得点
08-09 35試合 478得点
09-10 41試合 603得点
10-11 35試合 615得点
11-12 41試合 665得点
12-13 41試合 564得点
13-14 37試合 318得点
14-15 54試合 360得点
15-16 13試合 50得点
16-17 19試合 185得点
合計 618試合 9008得点
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