プレーを読む目、ウィングスパンは相手にとって脅威
試合を重ねるごとにNBAの舞台に順応し、底知れぬパフォーマンスを見せているレイカーズのブランドン・イングラム。その守備力は指揮官ルーク・ウォルトンからも高く評価されており、厳重な監禁を意味する『Lockdown』という単語で形容しているほど。
206cmの高さに対して線の細さが目立ち、フィジカルでの押し合いになれば劣勢に立たされるものの、試合展開を読む目に長け、220cmのウィングスパンを巧みに使ってペイントとペリメーター内に意識を張り巡らせるルーキーの存在は、対戦相手にしてみれば厄介でしかない。
11月15日、125-118で勝利したホームのネッツ戦でも、イングラムは守備でチームに貢献している。
4点リード(116-112)で迎えた第4クォーター残り2分8秒、イングラムはトレバー・ブッカーのレイアップシュートをブロックで叩き落とし、ネッツに主導権を渡さなかった。開幕前の時点ではNBAのフィジカルに適応するのに時間がかかると言われながら、与えられた役割を忠実に実行してチームに貢献している。
プレーで自己主張するタイプではなさそうだが、予想に反し好スタートを切ったレイカーズを支えている一人であることは間違いない。
この1週間で『試練』を迎えるヤング・レイカーズ
指揮官のウォルトンがイングラムの守備力の高さを絶賛するコメントを、『Laker Nation』が伝えている。
「NBAのレベルで、しかも19歳のルーキーがこれだけのディフェンスをやるなんて、ほぼ不可能なことだと私は思う。対戦相手はNBAで経験を積んだ選手ばかり。たいていはフィジカルの強さの差で吹き飛ばされてしまうものだが、彼は上手く対応している」
開幕前にさほど期待されていなかった反動もあり、まだ12試合を消化しただけであるにもかかわらず、レイカーズとイングラムの評価は高まるばかり。だが、18日からのホーム3連戦ではスパーズ、ブルズ、サンダーという強豪との対戦が続く。そして23日からはロードとホームでウォリアーズとの2連戦が待ち受ける。
アグレッシブかつエネルギッシュなバスケットを見せるヤング・レイカーズ、そして物怖じすることなくプレーする『ゴールデンルーキー』にとっては、初めて経験する『厳しい試練』となりそうだ。逆に言えば、ここを勝ち越して乗り切るようなことがあれば、レイカーズは『本物』と見ていいだろう。