アルバルク東京との『首位決戦』を終えて気を引き締める
先週末のアルバルク東京との対戦、2試合ともに多くのファンが集まり、ブレックスアリーナ宇都宮は大盛況となった。その大多数がホームの栃木ブレックスの応援。大勝した第1戦も、大接戦の末に敗れた第2戦も、会場の雰囲気は最高だった。
日曜の試合を終え、栃木の田臥勇太はアリーナの雰囲気について「本当に、ありがたいの一言です」と、ファンへの感謝を口にした。「たくさんのファンが来てくださって、こういう環境でやれるのは、選手としては幸せなことなので。だからファンの方々が応援したい、一緒に戦いたいと思ってもらえるように、自分たちは戦い続けなければならない」
日曜は敗れこそしたものの、ブレックスアリーナ宇都宮新記録となる4035人のファンが集まった。「たくさんの人が駆け付けてくれればくれるほど、自分たちのパワーになる」と田臥は言う。「緊迫した状況でも最後まで一生懸命戦ってくれるので、本当に力になります」
もっとも、「他のチームに負けない熱い応援」に後押しされながら逆転負けを喫した第2戦は、反省すべき試合となった。「勝つ時も負ける時もチームだし、どういうふうに負けてしまったのかを反省し、次に繋げないといけないな、というのは終わった瞬間に思っています」
「負けを無駄にせず糧にして、次にどう繋げていくか。それはチャンピオンになるために大事なことなので、しっかりとこの負けを次に繋げていきたいです」
勝つも負けるもチームとして──。だからこそチームリーダーである田臥は常に100%の準備をしてゲームに臨むし、チームメートとのコミュニケーションも密にしようと心掛ける。日曜の試合でも、終盤1点差に詰め寄られた緊迫した場面では、チームメートに険しい表情で声をかける田臥の姿があった。
この時の状況を田臥はこう振り返る。「攻めたい形がその前でうまく行かなくて、連携もうまくいかなくて得点に結び付けられなかったので、そこをしっかりコントロールして、というところです。緊迫した状況でいかにディフェンスで止めきるか、得点に結び付けられるか。今までの経験でも優勝するには本当に大事なところなので。今日はうまく行かなかったので、そこをしっかりチームメートと話して、うまく修正していきます」
「僕の意見もそうだし、彼らがどう思っているのかも大事なので、そこはちゃんとやります。終わった時点で話をして、それをそれぞれが振り返って、またいろんなことが出てくるので。ちゃんとみんなで共通理解できるところまでやって、それを積み重ねて、です」
地道な積み重ねの結果がタイトルの行方を決める
田臥が語る通り、リーグ戦は60試合の長丁場。どのチームも試合をこなしながらチームとしての完成度を高めていく。そして、レギュラーシーズンを通して高めたチームの総合力をチャンピオンシップでぶつけ、優勝チームが決まる。そこまでに、一つひとつの地道な積み重ねをどれだけやれるか。その重要性を田臥はしっかりと理解している。
東地区の首位決戦となったアルバルク東京との対戦は1勝1敗。「2つ取りたかったというのはもちろんあります」と田臥は正直な気持ちを語る。「やはりアルバルクさんが、強いチームだということを体感できたので、次まで間が空いてしまうと思いますが、それまでにしっかりとチームとして成長して、勝ち切れるチームを作っていきたいと思います」
今週末の栃木は秋田ノーザンハピネッツとのアウェーゲームを戦うが、2試合いずれも能代市総合体育館での開催。能代工業出身の田臥にとっては『凱旋試合』ということで注目を集める。
「本当に久々と言うか、いつ以来ですかね、ってくらいで能代に行きますので、個人的には楽しみです」と田臥は言うが、高校時代を過ごした地への思いはここまで。「秋田とは開幕戦で1勝1敗なので、しっかり2つ勝てるように、開幕戦の借りを返せるように、チームとしてしっかりと準備していきたいと思います」
いやはや、何とも田臥らしい言葉である。彼がリーダーとしてまとめる栃木ブレックスがシーズンを通じてどう成長していくか、ファンならずとも楽しみだ。
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