ランス・スティーブンソン

「2年間、ただひたすらこの瞬間を待っていた」

ペイサーズがホームにネッツを迎えた一戦はカイリー・アービングの今シーズンデビュー戦として注目された。しかし、その試合で最も歓声を浴びたのは古巣と10日間契約を結んだランス・スティーブンソンだった。

第1クォーター残り6分23秒の場面でコートに送り出されたスティーブンソンはいきなり3ポイントシュートを成功させると、その後もボールを託されて次々とシュートを沈めていった。そして、ステップバックスリーのブザービーターで締めくくったスティーブンソンは、4本の3ポイントシュート成功を含む20連続得点でチームを牽引した。これはベンチから出場した選手が挙げた第1クォーターでの得点でNBA史上最多記録となった。さらにこの20連続得点は、昨年の4月10日にウォリアーズのステフィン・カリーが20連続得点を記録して以来の最多得点ともなった。

後半を48-69と圧倒されて試合には敗れたものの、10日間契約を結んでから初めてのホームゲームで輝きを放ったスティーブンソンにとっては忘れられない試合となり「2年間、ただひたすらこの瞬間を待っていた」とファンへの感謝を語った。

「ここにいられてとてもうれしい。家族の前でプレーしているようなものだ。僕を歓迎してくれているみんなの前でプレーできたのは素晴らしいこと。僕はコートで力を見せなければならなかったんだ」

今シーズンのスティーブンソンは開幕の時点でNBAチームと契約できず、10月にGリーグのドラフト全体13位でナゲッツ傘下のグランドラピッズ・ドライブと契約した。そして、平均35.0分間のプレーで19.8得点と結果を残し、ホークスと10日間契約を結んだ後、約6シーズンを過ごしたペイサーズとの契約にこぎつけた。

ペイサーズは実力者を揃えてはいるものの主力のケガが相次ぎ、さらには5選手が健康安全プロトコル入りと戦力が整わず、現在は6連敗中と苦しんでいる。そして、スーパースターが不在のチームにとって、スティーブンソンの活躍はポジティブな話題だ。ホームのファンの前で実力を再証明したスティーブンソンは救世主となれるか。今後のパフォーマンスに期待したい。