堅守速攻が炸裂し、後半を62-38と圧倒
ウインターカップ男子準々決勝、福岡第一(福岡)が福島東稜(福島)と対戦した。
最初に主導権を握ったのは福島東稜。モーヌ・チソン・フランクリンがパワフルなプレーでインサイドの攻防を制すと、吉田柊一も2本連続で3ポイントシュートを沈める。攻守が噛み合い22-16とリードして第1クォーターを終えた。
だが、福岡第一がすぐに反撃に転じる。ディフェンスの強度を上げて何度もボールをスティールすると、そこから得意のトランジションが炸裂し、7-0と一気に走って逆転に成功した。序盤は合わせのパスが通らずにターンオーバーを連発していたが、第2クォーターはフィニッシュまで持って行く個人技主体の攻めが功を奏した。ただ、福島東稜もフリースローで繋ぎ、髙橋楽や吉田の得点で対抗。井手口孝コーチが「慎重にやりすぎたのと、ディフェンスもオフェンスもたいした指示ができていないまま試合が始まっちゃったかなという感じ」と振り返ったように、思うように流れをつかめず、福岡第一の4点リードで前半を終えた。
それでも、後半に入るとディフェンスのギアをさらに上げた福岡第一が試合を支配する。オールコートからプレッシャーをかけボール運びを遮断し、ハーフコートオフェンスを簡単にエントリーさせずにタフショットを強いる。ボールの中継役になるモーヌから連続でボールを奪い、速攻を繰り出すなどターンオーバーからの得点を積み重ねていった。オフェンスでは轟琉維や佐藤涼成のドライブが冴え渡り、小田健太が要所で3ポイントシュートを沈め、速攻のフィニッシャーにもなって24得点を記録した。
こうして伝家の宝刀である堅守速攻から主導権を握った福岡第一が後半を62-38と圧倒し、100点ゲームで快勝した。
約27分間のプレータイムで25得点を挙げ、轟と2人でオフェンスの中心を担った佐藤は「ガード陣で点を取れと先生からも言われていて、自分と轟が点数に絡んでチームの雰囲気を良くしていきたいと思ってプレーした」と話した。
そして、「前半はディフェンスが緩くて、先生にもボールマンプレッシャーがかかっていないと言われました。もう一回集中してリラックスしてやれば、より激しいディフェンスができるようになると思っていました」とも語り、意図的に後半にギアを上げたことを明かした。
明日は決勝進出を懸けて帝京長岡と対戦する。佐藤は「相手も力があるので油断はできないですが、自分たちのほうがさらに激しいディフェンスもできるし、強いアタックもできると思うので、良いところを増やして圧勝したい」と意気込んだ。