安藤コーチ「何点開いても子供たちは折れないです」
大阪薫英女学院(大阪)は京都精華学園(京都)に80-86で敗れ、ウインターカップ準決勝で姿を消した。安藤香織コーチが「とにかく1クォーターがすべて」と試合後に語ったように、試合の出だしに2-15のランを許したことが敗因となった。
京都精華には188cmの留学生プレーヤーが2人いて、彼女たちにイージーなシュートを何度も許した。リズムをつかみかけては高さで圧倒され、長い時間2桁のビハインドを背負った。それでも、薫英の選手たちの気持ちが折れることはなく、オールコートプレスからターンオーバーを誘発して速攻を連発。30得点を挙げた都野七海の強気なアタックや6本の3ポイントシュートを沈めた熊谷のどかの活躍もあり、最終クォーター終盤に6点差まで追い上げた。
第1クォーターを除けば、68-58で薫英が上回った。それだけに、安藤コーチも「後半だけでいうと出来過ぎなくらい。よくシュートも決めましたし、後半は本当によくやったと思います」と選手たちの頑張りを称えた。
結果だけを見れば高さに屈した形だ。それでも、留学生プレーヤーに簡単にスコアされながらも粘り強く戦い、不利な状況から2ポゼッション差まで追い上げた姿は見る者を熱くさせたはずだ。
都野がファウルトラブルになる中、要所で3ポイントシュートを決め続け反撃の主役を演じた熊谷は「離される展開も考えてきたので、そこであきらめるという考えは頭によぎらなかったです」と言い、このように続けた。「自分たちがやるべきことを徹底してやれば絶対に追いつけるし、勝てると思っていたので、あきらめる気持ちは全員なかったと思います。全国では小さいチームなんですけど、愛されるチームになろうと言っています。あきらめない姿勢を支えてくださってる方々に見せて、感謝の気持ちを込めて戦おうとしました」
小柄ながらも、スキルの高いアタック、そして速攻から得点を量産した都野は点差がなかなか縮まらない状況に「正直苦しかったです」と本心を明かした。それでも、「ディフェンスで前から当たったらオフェンスは良い流れになるので、最後までやってみないと分からないと思ってやっていました」と、最後まで可能性を信じていた。
こうした『強い心』はどのように育まれてきたのか。安藤コーチは言う。「本当にウチは主体的にやっているんです。朝練を頑張るのもそうだし、身体を休めるのもそうだし、それがすべて日本一に繋がっている行動なのかというのを日々問いかけながらやっています。そこの部分が揺るがない限り、何点開いても子供たちは折れないです」
来年に3年生となる熊谷と都野。心身ともにさらに強くなってウインターカップの舞台に戻ってくることを期待したい。