髙田真希頼みから脱却、チームバスケが完成の域に達したデンソーアイリスが皇后杯ファイナルへ「全員で守って、攻めている」

髙田真希頼みから脱却、チームバスケが完成の域に達したデンソーアイリスが皇后杯ファイナルへ「全員で守って、攻めている」

2021/12/19 09:00
髙田真希

ゴール下へのドライブを抑え続けるディフェンスで富士通に勝利

皇后杯のベスト4、デンソーアイリスは富士通レッドウェーブとの我慢比べを制し70-53で勝利し、ENEOSサンフワラーズの待つ決勝へと駒を進めた。

ベスト8にてデンソーは43失点、富士通は55失点と、堅守で勝ち上がってきた両チームは、この試合でもともに激しいディフェンスを見せ、第1クォーターはデンソーの16-13と互角の立ち上がりとなる。それでもデンソーは大黒柱の髙田真希が第2クォーターで9得点とオフェンスを牽引。持ち前の堅いディフェンスも継続して、リードを9点に広げて前半を終えた。

第3クォーター、デンソーはこの試合、3ポイントシュート6本中4本成功の本川紗奈生の活躍でさらに突き放しにかかる。だが、ここで富士通は本日12得点とベンチスタートから存在感を発揮した岡田英里、内尾聡菜の連続3ポイントシュートで食い下がった。

それでもデンソーは最後まで守備の強度、運動量が落ちることがなく、富士通のゴール下へのドライブをしっかり抑え続ける。ならば長距離砲で活路を見いだそうとする富士通だが、インサイドアウトが展開できずに単発で打つ3ポイントシュートは、勝負の第4クォーターで13本中2本と不発に終わる。

一方のデンソーは髙田を起点に2点シュートを13本中8本成功とゴール下で確実に得点を重ね、残り6分には稲井桃子の3ポイントシュートで58-45と突き放す。富士通も宮澤夕貴の奮闘で食い下がるが、残り2分、ローポストから攻める髙田は相手がヘルプに来たのを受けてゴール下でノーマークになった赤穂さくらにナイスアシスト、これで68-53となって勝敗は決した。

髙田真希

髙田「全員で守って、攻めているのが今まででと違います」

この試合、髙田はいつものように相手の激しいマークを受けながらも16得点15リバウンド4アシストを記録。いつも通りのハイパフォーマンスを披露した絶対的エースは、勝因をこう振り返る。

「出だしからディフェンスをアグレッシブに行こうと言われていました。途中ミスとかありましたけど、40分間、誰が出てもディフェンスをアグレッシブにできたことが勝ちに繋がったと思います。点差を縮められた時もみんなで我慢できたのがもう一度、離せた要因です」

これでデンソーは、Wリーグと合わせて今シーズン無敗をキープしている。髙田は全員で戦えているところが、昨シーズンからの進歩で、今のデンソーが自身に大きく依存するチームではなくなっていると強調する。

「一昨日、今日と全員で守って、攻めているのが今まででと違います。本当に今日も自分は特別なことをしていません。チームメートが強い気持ちで攻めて、ディフェンスをしてくれるので、自分の負担も徐々に減っていて、自分の役割に集中できているのはこれまでと違うと感じます」

髙田頼みからの脱却については、ベテランの本川も手応えを得ている。「去年とは全く違うチームになっていると思います。リツさん(髙田)に頼ってしまっていた部分が本当にありましたが、今シーズンは個々で自分たちがやるんだという気持ちがすごく出ています」

このチームバスケこそ、セルビア代表を2021ユーロバスケット優勝、東京オリンピックで4位に導き、今シーズンは就任2年目となる名将マリーナ・マルコヴィッチが押し進めるデンソーの進化の象徴だ。指揮官は語る。「試合に出る選手、ベンチにいる選手とそれぞれ違いがあるにせよチームのための役割があります。みんながそれを全うすることで、チームとしてシーズンを戦いたい」

髙田真希

「練習で準備してきたことをやれば勝てるという自信を持っています」

髙田にとって決勝の相手、ENEOSはここ11年間で6度目の対決となるが、過去5度の対決はすべて敗れている。ただ、こういった過去の経緯を「あまり意識はない」と、自然体で大一番に臨めると言う。

そう言えるのは、今のチーム力に確かな自信を持っているからだ。「どこが相手でも自分たちのやるべきことを準備してきました。全員で戦うのが持ち味で、自分一人で身構えることも今はないです。チームメートをしっかり信頼しています」

決勝の大きな鍵となるENEOSの絶対的エース、渡嘉敷来夢とのマッチアップについても同じだ。「ケガをしてから対戦相手として一緒にコートに立つことがなかったのですごく楽しみです。ただ、チームとしてやるべきことに集中するだけです」

渡嘉敷が調子を上げ、何よりも大一番での経験値の差から、決勝はENEOS有利との声は少なくない。それはマリーナヘッドコーチも理解しているが、同時に自分たちには下馬評を覆す力があると語る。

「今年のチームは去年より一歩、先に進めています。ただ、まだ一歩だけなので、もう一歩先に行けたらと思います。チームを信頼していますし、何も残さずに去ることは絶対にないと考えています。キャリアを通して、いくつもファイナルを戦ってきました。その中でも今回は特に大きな相手に立ち向かう形になるので、大きなサプライズを起こしたいと思います」

そして、高田は強く言い切る。「練習で準備してきたことをやれば勝てるという自信を持っています」

デンソー、そして髙田の悲願達成なるか。過去5度の対決と比較して、今回は最も実力が均衡した状況となる。そう感じさせる充実の戦いぶりで、デンソーは本日の頂上決戦に臨む。

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