後半は得点ペースが落ちた中、ディフェンスの強度は最後まで落ちず
シーホース三河vs名古屋ダイヤモンドドルフィンズの『愛知ダービー』は、リーグ最強のオフェンス力を持つ名古屋Dがその力を発揮しつつ、ディフェンスの強度でも上回り82-65で勝利した。
序盤は互いに合わせのミスが多くバタバタした展開となり、名古屋Dは2分間無得点が続いたが、先発を外れた齋藤拓実の登場で試合が動く。齋藤は投入されるとすぐさまピック&ロールからズレを作り、中東泰斗のイージーシュートをアシスト。ここからパスがよく回るようになってオフェンスが活性化し、エクストラパスからコティ・クラークが連続で3ポイントシュートを沈めて主導権を握った。
7選手が得点する三河のバランスアタックに苦戦しながらも第1クォーターを2点リードで終えた名古屋Dは、ゾーンを織り交ぜるディフェンスが機能したことでリードを広げていく。2-3や3-2のチェンジングディフェンスによって三河のリズムを崩すと、オフェンスへの好循環も生まれ、イージーシュートを確実に沈めていった。このクォーターで6本中5本成功と3ポイントシュートに当たりも来た名古屋Dが10点リードで前半を終えた。
後半に入ってもディフェンスの強度が落ちない名古屋Dのペースが続く。ビッグマンも参加する前線からのプレスディフェンスによって、三河のボールを運びを遅らせるだけでなくスティールにも成功し、簡単にオフェンスをエントリーさせない。名古屋Dはオフェンス面ではシュート精度に苦労したものの、6本獲得したオフェンスリバウンドの多くをセカンドチャンスポイントに繋げたことで2桁のリードを保った。持ち味のオフェンスが思うように発揮できない中でもディフェンスが機能し、三河の反撃を単発に抑えた名古屋Dは最後まで点差を1桁に戻されることなく、快勝を収めた。
名古屋Dのショーン・デニスヘッドコーチは「ここ1カ月はディフェンス力を上げることにチャレンジしてきました」と守備に力を入れてきたことを明かし、その手応えを感じつつあると続けた。「波がありましたが、直近の3試合はディフェンスからアップテンポな試合ができています。相手にボールを与えるようなソフトなターンオーバーが多すぎたのは心配ですが、特に三河のような良いチームを相手にディフェンスが機能したので自信がつく試合となりました」
一方、敗れた三河の鈴木貴美一ヘッドコーチは前半のディフェンスを課題に挙げ、選手のキレのなさを悔やんだ。「前半に名古屋さんのやりたいことをやらせてしまった。前半だけで3ポイントシュートを10本、これは彼らの1試合の平均でボールマンに対して甘かったです。後半は修正できましたが一人で頑張りすぎてしまい、シュートが入らなかった。正直、身体のキレが全然なく、無理なシュートが多かったです」
鈴木ヘッドコーチが言うように、三河は名古屋の後半の3ポイントシュートを2本のみの成功に抑えたが、最後までディフェンスを崩せずにフィールドゴール成功率が22.8%と低調で反撃のきっかけをつかめなかった。
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