IMGアカデミー

協力=KAGO BASKETBALL SCHOOL

今年6月、田中力が進学を決めたIMGアカデミーは日本で記者会見を実施し、「5年後を見据えるよりも今を大切に。まずは彼を高校生プレーヤーとして素晴らしいレベルにする」と約束した。スポーツエリートを育成する彼らは、自分たちの指導メソッドを世界に広めることを目的に、各国を巡ってクリニックを行っている。この時も千葉で2回、富山、金沢、大阪、福岡で1回と、短い日本滞在期間で日本各地を忙しく動き回った。あれから3カ月、そのクリニックからピックアップされた中学生4人がフロリダのIMGアカデミーに招待され、1週間のプログラムを受講している。世界最高峰の施設で学ぶ田中力に、彼らがインタビューを行った。

得意のハンドリングは「遊びの中で覚えました」

──IMGアカデミーに入ったきっかけは何ですか?

中学校2年の時、ビーコル(横浜ビー・コルセアーズ)にIMGアカデミーのクリニックが来た時に声を掛けてもらいました。

──得意なプレーは何ですか。どういう練習をすることで上達しましたか?

得意なのはハンドリングです。練習はどうやったかというと、練習というより一対一がめっちゃ好きで、兄ちゃんと一対一をしたり、動画を見てその切り替えしを使ってみたりとか、遊びの中で覚えていきました。

──自主練ではどんなことをやっていますか?

今はシューティングが多くて、あとはフィニッシュの仕方を学んでいます。レベルが上がっていくと、ちょっとしたタイミングのズレとか、ボードの上からレイアップするとか、細かいところから結構変える必要があるので、そういう細かいところを結構練習しています。

──試合でまず意識することは何ですか?

自分はガードだから、チームメートを知ってどんなプレーをするかを考えておきます。シューターを探す、センターにディッシュしたりとか、「こうなったら、こうする」という考えを常に持っておくことで「何が来ても俺は大丈夫」と思えるようにすると対応できます。

──試合でも練習でも、調子が悪くてうまく行かない時にはどうやって気持ちを上げますか?

自分も最初はそれでずっと苦労していました。結構メンタル弱くて、調子が悪い時は「ああ、ダメだ」と落ちていっちゃうんです。でもこの前の代表合宿で、渡邊雄太さんにどうしたらいいか聞いたら、「誰よりも自分は絶対に努力しているんだ」という考えで試合に臨むことだと聞きました。調子が悪くても「俺のほうが断然、努力している」と思えば、いつかは絶対上がっていくから、と考えたほうが良いって言われて、今は自分もそう意識しています。

IMGアカデミー

「とにかく気持ちを強く持ってプレーすればいい」

──今まで挫折とかしたことはありますか? 自分が上手く行かず壁に当たった時とか。

初めてA代表に呼ばれた時は、プロって技術だけじゃなく安定とか身体の強さとかスピードとか、すべてが全然違っていて、最初はドリブルも得点も何もできなくて「どうしよう」って悩んだんですけど、やっているうちに慣れてきました。何事も最初は苦労することが多いと思うけど、そこで負けないで自分を信じること、一生懸命練習すること、周りに感謝しながらプレーするのが大事だと思っています。

自信を持つというか、自分を信じること。どれだけ悪いプレーをしても、A代表に呼ばれているからにはそれなりの何かを持っているから、そんなに気にすることなく自分が一番やりやすいように、とにかく気持ちを強く持ってプレーすればいいと思います。

──試合前のルーティーンはありますか?

朝ごはんにマンゴーを食べること(笑)。

──好きなNBA選手は誰ですか?

カイリー・アービングで、理由は見ていて楽しいからです。バスケって自分がプレーするだけじゃなく、他の選手のプレーを見て「俺もそれやりたいな」って思えるのが楽しくて、そういうプレーをするところを見てカイリーが好きになりました。

──IMGアカデミーに来て、今は一日をどう過ごしていますか?

月曜から金曜までは7時20分に朝食、8時から9時まで筋トレをやって、そこからバスケの練習。終わったらシャワーを浴びて、13時15分から学校です。土日は休みなのでシューティングしに行ったりするぐらいで、あとは友達と遊んだり。今はケガがあるので、治ったらスタメンを取りに行きたいです。スタートで出てチームを引っ張るのが今の目標です。