「シュートが入らないからギブアップするチームになるのか、ならないのか」
千葉ジェッツはバイウィーク明けの2連戦でホームに茨城ロボッツを迎え、第1戦を83-77、第2戦を111-103で勝利した。これで東地区の首位に浮上した千葉だが、この連戦では同地区最下位の茨城に苦戦を強いられた。
千葉はバイウィーク前の時点でも10勝4敗と大きく勝ち越していたが、大野篤史ヘッドコーチは「バイウィーク前に『このディフェンスじゃチャンピオンにはなれない』と選手たちに伝えて、(富樫)勇樹と原(修太)がいない間ディフェンスの練習をしてきました」と、ディフェンスの改善に力を入れたことを明かした。
第2戦ではシーズンハイとなる111点を挙げて勝利した千葉だが、第1戦は81本中30本成功のフィールドゴール成功率37.0%とシュートタッチに苦しんだ。
大野コーチはこのようなシュートが入らない試合を例にして、こう続けた。「第1戦みたいに自分たちのシュートが入らない試合で、どうやって勝ちを拾っていくかはディフェンスの改善が必要です。簡単にシュートが入らない、打てない日は必ずあるけど、そんな日にシュートが入らないからギブアップするチームになるのか、ならないのか。そこが一番重要なので、ギブアップするチームにならないために、今のディフェンスじゃ問題だという意識を全員が持って取り組むために必要な試合でした」
「僕も勇樹とやるのは楽しいです」
フィールドゴール63本中40本成功(63.5%)でシーズン最多の111得点を挙げた第2戦も、常に千葉のペースだったわけではない。茨城のゾーンディフェンスを前にボールムーブが停滞する時間があった。それでも、千葉は富樫と西村文男の2ガードを起用しオフェンスを活性化させた。
この試合で西村は今シーズン最長となる27分の出場となり、3ポイントシュート3本成功の9得点6アシストを記録。大野篤史ヘッドコーチは「(赤穂)雷太がいなかったのと、第1戦でゾーンブレイクのところでかなりトラブルがあったので、ボールが回らないシチュエーションを解決するために文男を長く使いました」と、2ガード起用が長くなった理由を明かした。
西村自身、プレータイムが伸びたことには「疲れました」と笑って答えつつ、富樫との同時起用について「向こうもスモールで2ガードだったので全然ありだなと思いますし、僕も勇樹とやるのは楽しいです」と語っている。
そして、西村も「オフェンスで110点取れているのは評価できる」としつつ、「ディフェンスのところで100点取られているので、今週に至っては本当にディフェンスが課題だと思います」と、こちらもシーズン最多の103失点となった守備を反省点に挙げた。
特に第2戦の終盤は茨城の司令塔、平尾充庸にゲームメークから得点まで、自由にプレーさせてしまった。西村は言う。「向こうのピック&ロールのところでウチが全然対応できずに、イージーなポイントを与えてしまって、せっかく2週間やってきたことが最後に出せなかったです」
後半だけを見れば、57-59と相手に上回られた。試合を通じて逆転こそ許さなかったが、試合終盤には3点差まで詰められる場面もあった。それでも千葉は崩れることなく、自分たちのリードを守り抜いた。
大野コーチは言った。「気がついてもらわない限り、いくら練習しても結実しない」
「自分のディフェンスが今どの位置にあるのかを全員が把握しなければいけない。欠点、改善点がどこにあるのかをゲームの中で知ってほしかった。自分たちが行きたい場所に行くには、今のディフェンスのままじゃダメだからチャレンジし続ける」
連覇を目指す千葉がシーズンを通じて気づきと修正を繰り返し、どう進化していくのか。シーズンを通じて注目するに値するポイントだ。