デイミアン・リラード

写真=Getty Images

NBA選手会が選ぶ『ミスター・クラッチ賞』を受賞

トレイルブレイザーズのデイミアン・リラードは、NBA屈指の『クラッチプレーヤー』として知られている。

彼の勝負強さを表す代表的なシーンは、ロケッツと激突した2014年のプレーオフ・ファーストラウンド第6戦。勝てばシリーズ突破が懸かったホームでの一戦で、リラードは試合終了のブザーと同時に逆転3ポイントシュートを成功させ、ブレイザーズをカンファレンス・セミファイナルに導いた。

その勝負強さは年々凄みを増している。昨シーズンはクラッチタイム(第4クォーター残り5分で5点差以内の状況)での出場時間でリーグ23位の151分ながら、同10位となる127得点を決めるクラッチプレーヤーぶりを発揮し、NBA選手会が選ぶ『ミスター・クラッチ賞』を受賞した。平均26.9得点、4.5リバウンド、6.6アシストという成績を残してオールスターに選出された他、下馬評の低かったチームを西カンファレンスの3位に躍進させ、オールNBAファーストチームにも輝いた。

リラードは、『CGTN』とのインタビューで、現在の勝負強さ、クラッチタイムにも恐れずにシュートを放つメンタリティの構築に繋がった経験を明かしている。

「1度や2度の体験ではないけれど、チームにとって必要だった時間帯に自分が思うようなプレーができない時が何度もあった。そういう経験のおかげで、どういう結果になろうと恐れずにプレーできるようになったんだ」と語ったリラードは、過去の『苦い経験』についても、こう語った。

「あれは中学3年の時だった。ある試合でウィニングショットを決めたことがあったんだ。たしか、僕たちのチームは2点差で負けていて、僕の3ポイントシュートで逆転した。その時に、あまりにも興奮してしまってジャージーを脱いで上半身裸になったらテクニカルファウルを科されて、相手チームに2本のフリースローが与えられてしまった。結局、それらを決められて1点差で負けてしまったんだ。考えられる状況の中で最悪なケースが起こってしまった。その時の経験のおかげで、勝負どころでも落ち着いてやれるようになった。それは、これからも変わらない」

毎シーズン開幕前の予想では西の下位に低迷すると言われるブレイザーズだが、リラード、CJ・マッカラムを中心とするチームは下馬評を覆し、5年続けて西の競争を勝ち抜きプレーオフに進出している。チームを何度となく救い、勝利をもたらしてきた『リラードタイム』は、きっと今シーズンも頻繁に見られるに違いない。