レジー・ジャクソン

好調を続けるポール・ジョージを生かすスペーシングの遂行度がカギに

クリッパーズはこの1週間で1勝4敗と失速し、12勝12敗と『貯金』を失った。レイカーズに競り勝ったのは大きな勝利だったが、指揮官交代の後も上向かないキングスに2試合連続で敗れたのは手痛い失速だ。ただ、クリッパーズはこの1カ月、過密日程が続いており、中2日の試合間隔が空いたのは感謝祭の1回だけ。ケガ人がいて選手層が厚いとは言えない状況で、試合数が増えれば増えるほどパフォーマンスは落ちていく。キングスとは現地12月1日にホームで戦い、3日にレイカーズと戦って翌4日にサクラメントでの試合だった。一方でキングスは中2日を置いてクリッパーズとの連戦となっており、選手がコンディションを整えることも、クリッパーズへの入念な対策を取ることもできた。

カワイ・レナード不在のチームを引っ張るポール・ジョージにも疲労の色が見える。キングスとの初戦を欠場して備えたレイカーズ戦ではフィールドゴール20本中7本成功(35.0%)の19得点と不発。連戦となったキングス戦ではさらに確率を下げ、フィールドゴール21本中5本成功(23.8%)の15得点と苦しんだ。

そのジョージと同じぐらい大きな負担を担っているのが、ここまで24試合すべてに先発出場しているレジー・ジャクソンだ。31歳の彼は、キャリア11年目で最長となる平均プレータイム33.3分とフル回転している。

「僕だけじゃなく、僕たちみんなが疲れているよ。でも今はチームの基盤を確立する時期。自分たちがどのようにプレーするのか、基本的なことの理解を深め、それぞれが自分の役割を固め、どれだけ遂行できるかを高めていく。とても大事な時期なんだ」とジャクソンは言う。

そういう意味で、チームオフェンスはいまだ機能していないとジャクソンは認める。スペーシングが上手くいかず、イージーなチャンスを作り出せない。ジョージに過度の負担を強いていることをジャクソンは気にしている。

「ポールはスーパースターだから、対戦相手はどこも彼に対して様々なディフェンスを用意してくる。僕らはそれが何であれ対応できないといけない。それぞれが自分のスポットを取って、相手のギャップがどこにできるかを読むんだ。ボールを動かしてディフェンスを動かし、ミスマッチを見付けて簡単に攻める。そのためにも決められたスペーシングを確実に遂行するのが大事になる。もちろん、簡単じゃないけどね」

それでもジャクソンは、過度に深刻にはなっていない。「正直、もっと良い仕事ができると思っている。今の成績は自分たちが望んでいたものじゃないけど、コンディションを戻してメンバー全員が揃い、一緒に過ごす時間が増えれば増えるほど、チームは良くなっていくと感じているよ」