ヤニス・アデトクンボ

ミドルトン「あのレイアップはガードでも難しい」

現地12月1日に行われたバックスvsホーネッツの一戦。残り1分を切ってもリードチェンジを繰り返す攻防の中、ヤニス・アデトクンボが決勝レイアップを沈めたバックスが127-125で勝利し、連勝を8に伸ばした。

前半はバックスが追いかける展開となったが、第3クォーターを37-27と上回ったバックスが97-95と逆転して最終クォーターへ。ここからは一進一退の攻防が繰り広げられた。120-122で迎えた最終クォーターの残り52秒、アデトクンボのキックアウトからクリス・ミドルトンが3ポイントシュートを沈めて、バックスが123-122と逆転に成功。その後も残り8.6秒でミドルトンが2本のフリースローを沈めて125-122とリードを広げた。

しかし、続くポゼッションでホーネッツのラメロ・ボールにタフショットでの3ポイントシュートを沈められ、125-125と同点に。このまま延長にもつれるかと思われたが、エースのアデトクンボが違いを見せた。バックスボールで始まった、ラストポゼッション。アデトクンボはハーフコートラインあたりから飛び込んでホリデーからボールをもらうと、コースを塞ごうとするPJ・ワシントンを巧みなステップで交わし、決勝点となるレイアップを沈めてチームを勝利に導いた。この試合でアデトクンボは40得点12リバウンド9アシスト、ミドルトンが3ポイントシュート8本中4本成功を含む21得点と6リバウンド5アシストを挙げてチームを牽引した。

バックスの指揮官マイク・ブーデンフォルツァーは試合後、土壇場で冷静にシュートを決め切ったアデトクンボを「ヤニスはとにかく素晴らしい。今日みたいな状況でも彼にボールを渡すことができれば、いつだって良いプレーをしてくれる」と称えた。

そのアデトクンボ本人は「普通にやったらブロックされる可能性が高いから、ずる賢くやらないとね」とラストプレーを振り返った。「僕も年をとったから、もう人の上からダンクをかますことはできない。だからずる賢くならざるを得ないのさ」

ミドルトンはアデトクンボのラストプレーについて「みんなは彼が圧倒的な強さを持った選手と言うけど、あのシュートでは彼のスキルを見ることができる」と語った。「彼はいつも人の上からダンクをしたり、フックシュートを使っているわけじゃない。あのレイアップはガードでも難しいと思うよ。でも、彼は試合終盤のあの場面で、7フッターの選手をかわして、少しスピンをかけてボールを反転させた。これは彼のスキルの高さを示したプレーだよ」

一方、ホーネッツは接戦を落としたものの指揮官ジェームズ・ボーレゴは「素晴らしいチームを相手に、アウェーで素晴らしい努力ができた」と試合を総括した。

中でも、ラメロは15本中8本の3ポイントシュート成功を含むキャリアハイの36得点と5リバウンド9アシスト3スティール1ブロックを記録。得点だけでなく、軽快なステップからバックスディフェンスをかき乱すゲームメークも目立った。

指揮官は「彼は一年を通して成長しているし、素晴らしい選手だよ。彼がウチにいてくれることが、我々にとっては幸運だ」とラメロを称えた。「NBA王者を相手にしても、彼の大胆さと冷静さは素晴らしかった。彼は素晴らしい選手だけど、もっともっと良くなっていくと。これは氷山の一角に過ぎない。彼には明るい未来が待っているよ」