アンソニー・デイビス

レブロンは健康安全プロトコルで数試合を欠場へ

4日前、同じキングスに3度の延長の末に競り負けていた。ホームからアウェーへと場所を移したレイカーズvsキングスの試合前、フランク・ボーゲルは「これはリベンジマッチだ。やり返すぞ」と選手に檄を飛ばした。ステイプルズ・センターの観客の後押しはなく、それ以上にレブロン・ジェームズがいない。レブロンは健康安全プロトコルによりチームを離れていた。

常にビハインドを背負う展開で、50-59で前半終了。アンソニー・デイビスは「自分たちがどんなチームになりたいのか、あらためて話し合った。ディフェンスをとにかく頑張るんだ、ということで一致したよ」とロッカールームでの出来事を振り返る。

こうして迎えた第3クォーターを、レイカーズは37-15と圧倒する。逆転に成功するだけでなく、キングスの戦う気力を根本からへし折った。デイビスは試合序盤に指を痛めていたが、パフォーマンスに響くことはなかった。ドワイト・ハワードは出場が危ぶまれたが35分出場し、12得点に加えて13リバウンド2スティール2ブロックとリムプロテクターとして恐るべき力を発揮した。マリーク・モンクは22得点、カーメロ・アンソニーは14得点と、ベンチ組がチームのエネルギー源となった。

レブロンがいない試合が今シーズンここまで23試合のベストゲームになるのはレイカーズにとって皮肉ではあるが、間違いなく良い兆候だ。先に腹部の痛みでレブロンが欠場している間、残る選手たちは覇気のないプレーに終始して結果も出せなかった。それが、突然レブロンが不在となった試合で良いパフォーマンスを出せた。今シーズン、20点以上の差を付けて勝ったのはこれが初だ。

デイビスは言う。「レブロンはウチの大きな部分を占める存在だ。彼がいない試合も何度も経験したし。それがどういうものかは分かっている。彼が戻って来るまで、今日のようなディフェンスを続けなければならない」

レイカーズはレブロンとデイビスが中心のチームで、『ビッグ3』の3人目となるラッセル・ウェストブルックもこの2人を支えるために獲得された。ただ、矛盾するようではあるがレブロン抜きので勝てないようでは、チームは最終的な目標であるNBA優勝には到達できない。

前回はレブロンが不在の間にチームにポジティブな出来事はほとんどなかった。だが今は違う、と指揮官ボーゲルは自信を持っている。「前回と比べてチームは変わった。今回はもっと勝てると願うよ」。そう語る指揮官の言葉が真実かどうか、おそらく10日間に及ぶであろうレブロン不在の期間、特にディフェンスで今回のようなパフォーマンスができたとすれば、開幕から長らく低空飛行を続けていたレイカーズは不振脱出を宣言してもいいはずだ。