写真=Getty Images
キャバリアーズ 2015-16シーズン成績
57勝25敗 東カンファレンス1位/NBA優勝
フィールドゴール率46%(リーグ10位)
3ポイントシュート成功率36.2%(リーグ7位)
1試合平均得点104.3(リーグ8位)
1試合平均リバウンド44.5(リーグ9位)

優勝で自信を付けたチームに、適切な補強で戦力を強化

球団創設46年目にして初優勝を遂げたキャバリアーズ。今シーズンも優勝候補筆頭と言われる最大の理由は、レブロン・ジェームズを頂点とする絶対的なチーム力にある。

ジェームズはオフに3年1億ドル(約103億円)の条件で再契約を結んだ。今年の12月で32歳になるジェームズはまだ全盛期を維持しているものの、チームは今シーズンもレギュラーシーズンの間は彼の出場時間に一定の制限を設け、プレーオフにベストパフォーマンスを発揮できるよう調整していくつもりだ。

ジェームズの出場時間がさらに制限されたとしても、昨シーズンの経験で一回りも二回りも大きくなったカイリー・アービング、献身的なプレーでチームに貢献したケビン・ラブとのビッグ3は、より強力なものになるはずだ。

思えば1年前、アービングは2015年のファイナルで骨折した左ヒザのリハビリ中だった。昨年12月下旬に復帰して徐々に試合勘を取り戻すと、運命のファイナル第7戦では決勝3ポイントシュートを成功させ、世界中にクラッチシューターとしての実力を知らしめた。オフにはアメリカ代表としてリオデジャネイロ五輪に出場し、金メダル獲得に貢献。選手として心身ともに良い状態でシーズンを迎える。

オフに目立った補強は行なわなかったが、ベテランのマイク・ダンリービーの加入は大きい。現役選手の中で13位に入る3ポイントシュート成功数(1251)を誇るダンリービーは、シューターを必要としていたキャブズのニーズに合致する補強だ。昨シーズンは負傷で自己最低の31試合の出場に終わったが、コンディションさえ維持できればベンチからの得点源になれる。

唯一の補強とも呼べるダンリービーの獲得。安定したシュートフォームから放たれる3ポイントシュートはキャブスの連覇を後押しする飛び道具となる。

戦力的な不安要素はアービングのバックアップ

ヒート時代にジェームズのチームメートだった『バードマン』ことクリス・アンダーセンも加入。高さを生かしたインサイドの守備に定評があり、トリスタン・トンプソンのバックアップには適任だ。ジェームズとの呼吸もぴったりなだけに、ヒート時代のような連携も見られるだろう。

フリーエージェントとなったJR・スミスは、キャブズとの交渉を長引かせた結果、未だに無所属の状態。ジェームズは、攻守両面で優勝に貢献したスミスと早く契約するようキャブズに圧力をかけているものの、チームが提示した条件と希望条件に数百万ドルの開きがあるとも言われている。

ポジション別に戦力を比較すると、弱点は2番手ポイントガードだろう。新人のケイ・フェルダーは身体能力の高さを評価されているが、今シーズンの時点でどれだけNBAレベルで通用するかは未知数だ。アービングにヒザの負傷歴があることを考えれば、昨シーズンまで在籍したモー・ウィリアムズのような経験豊富なポイントガードが一人いると心強い。

ただ、総合力では東カンファレンスの中でも抜きん出ている。ケガ人さえ出なければ、3年連続のファイナル進出は固い。そしてジェームズのコンディション・コントロールがうまく行き、彼がベストの状態でファイナルを迎えられれば、ライバルが『スーパーチーム』であれ見劣りすることはないはずだ。

ウィリアムズのように経験値のあるポイントガードがいないことがキャブスにとっての不安要素となる。

2016-17シーズン キャバリアーズ予想ロスター
[PG]
カイリー・アービング、ケイ・フェルダー
[SG]
イマン・シャンパート、ジョーダン・マクレー、ダンテイ・ジョーンズ
[SF]
レブロン・ジェームズ、マイク・ダンリービー、リチャード・ジェファーソン、ジェームズ・ジョーンズ
[PF]
ケビン・ラブ、チャニング・フライ
[C]
トリスタン・トンプソン、クリス・アンダーセン