藤井祐眞

「積極的なプレーは出していきたい、アグレッシブにやっていきたい」

藤井祐眞の日本代表入りを望む声は以前からあったが、なかなか実現には至らなかった。川崎ブレイブサンダースでどれだけ良いパフォーマンスを見せても、フリオ・ラマス体制では結局招集されず。来月には30歳と、待たされる間に年齢を重ねたが、それだけ成熟してトム・ホーバス体制の日本代表に加わったと言える。

彼自身、長く待たされたことは全く関係なく、フレッシュなやる気をこんな言葉で表現する。「久しぶりの代表活動なので、本当に楽しみにしています。今回の中国戦、まだどういうメンバーとか決まっていないですが、そのメンバーに入れるように頑張りたい。中国に勝てるように、代表の力になれるように頑張っていきたい」

「今までは、というかラマスさんの体制になってからはメンバーがある程度は固定されていましたし、ワールドカップの出場、五輪の出場を懸けた戦いでずっとやってきたメンバーだったので、そこは素直にそのメンバーでチーム力を高めた方が良いと個人的に思っていて、そこは本当に日本代表を応援していました。今回トムコーチになってメンバーも代わって、僕も楽しんでやれたらと思っています」

ただ、いくら気持ちが入っていても、日本代表合宿の難しさはまた別だ。「新しい体制になって覚えることも多いですし、全員が初めてなので、まだ身体を動かすよりは頭を使っています。チームルールもあってそれにアジャストするのがまだいっぱいいっぱいな状態」と難しさを語るが、その中で自分らしさを出す意識は忘れていない。

「僕の強みはアグレッシブなディフェンスだったり、オフェンスでも積極的なプレーは出していきたい。そこはルーズボールもですがアグレッシブにやっていきたい」

藤井祐眞

川崎には不安なし「みんなリーダーシップを持ってやっている」

川崎からの選出は彼一人。これまでは代表選手を送り出した後の川崎を守っていた藤井だが、今回は立場が逆になった。ただ、キャプテンである彼はチームについては何の心配もしておらず、今は自分のことに集中している。それは長年の信頼感あってこそだ。

「チームのみんなも頑張ってきてくれと言ってくれましたし、チームは今まで(篠山)竜青さんがキャプテンをしていて、彼が川崎に残っているので、チームのことは竜青さんに任せます。今年は僕以外の全員が副キャプテンで、みんなリーダーシップを持ってやっているので、僕は代表合宿を全力で頑張りたいです」

東京オリンピック本番も含め、このところの代表の試合の多くが無観客試合だったが、来週末のゼビオアリーナ仙台での試合には観客が入る。「ワクチンのおかけで安全になってきているので、まだ対策はしないといけないけど、人数が増えているのは個人的にはうれしい」と彼は言う。

「満員のアリーナでやる方がモチベーションが上がるし、楽しくできる。安全対策をしながらどんどん増えていってほしいです」

攻守にエネルギー満点のプレーが日本代表にどう組み込まれるのか楽しみだ。長く待たされた日本代表だが、彼自身の好調に観客が戻りつつあるコロナの状況など、すべての要素が好循環に働くことに期待したい。