アレックス・カルーソ

レブロン・ジェームズは「最高のパートナー」を熱く抱擁

アレックス・カルーソは4シーズンを過ごしたステイプルズ・センターにブルズの一員として帰ってきた。今シーズン2試合目の先発出場で34分プレー。打ったシュートは1本だけで、これを外して無得点に終わっているが、6リバウンド5アシストを記録し、得失点差は+28。主役ではないが、チームに欠かせない戦力としてレイカーズ撃破に大きく貢献した。

最初のタイムアウトが取られた際には、会場のモニターにレイカーズでの活躍をまとめたトリビュート映像が流された。ドラフトで指名なかった彼が2ウェイプレーヤーからチームに欠かせない戦力になり、NBAチャンピオンになるまでの軌跡が2分間にまとめられた。今は違う色のジャージーを着ていたとしても、カルーソが最後の最後までレイカーズに忠誠を誓ったことは、レイカーズのファンすべてが理解している。

それはレイカーズの選手やスタッフも同様だ。レブロン・ジェームズは昨日の試合を欠場していたが、「最高のパートナー」と評した彼をコート枠で抱きしめた。アンソニー・デイビスは「ここまで成し遂げたことの大きな部分が、彼によるものだ」という表現でカルーソの働きを称えている。

レイカーズは散々に打ち破られた。フラストレーションの溜まる負け方だったが、試合後の選手たちはカルーソへの愛情とリスペクトは忘れなかった。フランク・ボーゲルは「我々の知っている、いつものアレックスだったね」とカルーソのプレーを振り返った。「ディフェンスで激しさを出し、オフェンスになればスマートに、すぐれたIQと多彩さを見せる。彼の勝利のDNAが、ブルズの復活の大きな力になっているのは間違いない」

レイカーズがカルーソを手放したのは大きな過ちだった。ただ、ボーゲルは「アレックスは私が指導した中でも最もお気に入りの選手だ」としながらも、放出は仕方のなかったことだと割り切っている。

「彼のように常に一生懸命な選手を愛さない人はいない。だけど、これもNBAのビジネスだ。サラリーキャップがある以上、厳しい決断を下さなければいけないこともある。全員を使いたくても、必ずしもそうはいかないんだ」

ディフェンスの激しさも、オフェンスの多彩さも欠く現状を見れば、今のレイカーズがカルーソを手放すべきではなかったと考えるのは当然だ。ただ、過去を振り返っても仕方がない。ここで気持ちに整理を付け、山積みの課題を一つずつ解決して前に進まなければいけない。

幸いなことに、腹部の張りで2週間欠場しているレブロンはトレーニングを再開し、復帰が近づいていると『ESPN』が報じている。まだ慌てる時間ではないが、今のレイカーズは本来あるべき姿からはほど遠い。レブロン復帰は最高の刺激となるはずだ。