サンロッカーズ渋谷の長谷川智也、新シーズン開幕を前に再認識した『自己犠牲』

2018/09/14
Bリーグ&国内
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長谷川智也

文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

オフェンスの停滞がディフェンスの崩壊を生む

アーリーカップ関東大会、サンロッカーズ渋谷は初戦で川崎ブレイブサンダースを撃破したのは良かったが、その後はアルバルク東京、千葉ジェッツを相手に力の差を見せ付けられる完敗を喫した。3連戦目となる千葉戦では、一方的な劣勢から第4クォーターに怒涛の追い上げを見せたがビハインドを覆すことができなかった。

この試合チームトップの16得点を挙げた長谷川智也は、オフェンスの停滞が前半の失速を生んだとチームの課題を分析した。「良いオフェンスで終われず、相手に走られてイージーシュートにつながってしまった。イージーレイアップや、アウトナンバーからのキックアウトからの3ポイントを許したので、オフェンスを良い形で終わらせなきゃいけないです」

ディフェンスを重視するSR渋谷だが、実際のところディフェンスとオフェンスは表裏一体。ディフェンスにアイデンティティを置くにしても、オフェンスの改善がないままの『専守防衛』では勝てない。

どうしたら良いオフェンスが展開できるのか。長谷川は少し考え、『自己犠牲』が必要と話した。「自分が犠牲になったり、人を生かすようなプレーをしたりしないと上のチームには勝てないと思います。本当はパスをもらいたいけど、あいつがいるから切れようかなとか、ドリブルスクリーンに行ってやろうかなという気持ち。難しいことなのかもしれないですけど、気を遣って自分が犠牲になるという意識ですね」

長谷川智也

「毎回コンスタントにできるようにしないといけない」

アーリーカップでの最大の収穫は2試合目、A東京に33-78と大敗した準決勝だ。長谷川は言う。「自分たちが追い続けていたこと、今シーズンに入ってやり続けてきたことを、アルバルクにことごとくやられてしまいました。でもその中で課題と収穫がいくつかありました。もっとフィジカルに行かなきゃいけないとか、自分を犠牲にしなきゃいけないとか。このままではダメだという危機感はあるので、練習で突き詰めていきます」

Bリーグだけに限らず、NBAでも優勝するチームには自分の役割を徹底するロールプレーヤーの存在が必要だ。どんなに個人の能力が高くても、セルフィッシュな選手の集団はチームスポーツでは勝てない。それを感じるからこそ、加入2年目の長谷川にもチームにも変化が見られる。

劣勢に立たされた時にハドルを組んだり、選手間で声をかけるシーンが昨シーズンよりも数多く見られた。「(勝久ジェフリー)ヘッドコーチからも言われてますし、多く取るようにはしてます」と、意識に変化が生まれている。

選手間のコミュニケーションが多くなったことで、互いの理解が増し、オフェンスが好転することが望ましい。さらには、それを継続させて自分たちの身に着けることが必要だ。「なぜノーマークでシュートを打てているのか、それをもっとみんなで解明していかないと。60試合の中で、『この試合はできたけど、次の試合ではできない』ではなく、毎回コンスタントにできるようにしないといけないです」

1年前はチームが様変わりし、ゼロから構築する難しさがあった。今回はメンバーが変わらず、もう一つ先の課題に取り組むことができる。長谷川が言う『自己犠牲』を全員が共有できれば、本当の意味での『一体感』が生まれる。昨シーズンのファイナル出場2チームとこの時期に戦えたことが、SR渋谷にとって大きな意味を持つ、と言えるようにしなければならない。