香川の攻め手を潰していくディフェンスの対応力を発揮
天皇杯3次ラウンド最後のゲームは、アリーナ立川立飛でのアルバルク東京vs香川ファイブアローズとなった。
香川は昨日、3ポイントシュート攻勢で三遠ネオフェニックスを撃破している。当然この対策をしてきたA東京に対し、その裏をかいてテレンス・ウッドベリーとアンガス・プラントでインサイドを突く。ポイントガードの兒玉貴通も思い切ったドライブを仕掛けてレイアップに持ち込むなど、好プレーを随所に見せた。第1クォーターは24-30とA東京に先行されたが、これは安藤周人が3ポイントシュート3本すべて決める爆発があってのこと。内容では決して劣っていなかった。
しかし、A東京は同じB1チームでもこれまでの相手より一枚も二枚も上手。ビッグマンには帰化選手のライアン・ロシターがいる絶対的な強みがあり、日本人選手もベンチから出た小酒部泰暉や小島元基が活躍して、誰が出てもプレーの質を落とさないロスターの深みがある。特にディフェンスの対応力は見事で、立ち上がりにやられたプレーを次には止め、香川の攻め手を潰していった。B2では誰も止められないウッドベリーもロシターやセバスチャン・サイズが抑え込む。こうして第2クォーター開始3分半で11-2のランで香川を突き放し、ここからガッチリと主導権を握った。
この分厚い守備をウッドベリーは何度かこじ開けるのだが、前半から彼の個人技に頼るようでは香川は苦しい。個々が1対1を守る能力が高いことに加え、ピックに対して組織的にも守れるA東京のディフェンスが香川にイージーなチャンスを与えず、守りから攻めと良いリズムが繋がることで3ポイントシュートやミドルレンジのプルアップが高確率で決まることで、55-33とリードを広げて前半を終えた。
後半に入って香川は20点のビハインドを覆すべく3ポイントシュートの試投数を増やすが、決まるシーンもあるが外れて相手に走られるシーンもあって点差を動かせない。A東京の対応力はこのクォーターにも発揮され、香川に良さを発揮させない。ジョーダン・テイラーに小島元基とポイントガードの選手が前掛かりになる香川に対してきっちりとコントロールして、相手のリズムでプレーをさせなかった。
どちらも3日連続の試合とあって『追加の燃料』は残っていない。その状況ではリードしている側が有利だ。第3クォーター終了時点で56-84と差を広げられた香川は25得点のウッドベリーを下げる。その後、彼をコートに戻す展開にはもっていけなかった。残り7分では兒玉がベンチに下げている。
A東京は安藤の3ポイントシュートが決まって得点が100に到達。ベンチメンバー同士の残り時間にも攻勢の手を緩めることなく、最終スコア109-75で勝利した。これで4次ラウンド進出が決まり、12月1日に大阪エヴェッサと対戦する。