香川ファイブアローズ

3ポイントシュート攻勢から三遠のディフェンスを振り回す

天皇杯3次ラウンドの2日目、香川ファイブアローズは昨日の横浜ビー・コルセアーズに続き三遠ネオフェニックスと、連日のB1チーム撃破を果たした。

三遠はエリアス・ハリスが右ハムストリング肉離れで戦線離脱中。得点でもリバウンドでもチームトップの大黒柱を欠くのは大きな痛手だが、前日にはアイザック・バッツとクレイグ・ブラッキンズの強力インサイドを擁する越谷アルファーズに完勝を収めている。

試合はどちらも様子見といった立ち上がり。第1クォーターで3ポイントシュート4本成功と先行した香川は、23-19で迎えた第2クォーターになるとギアを上げ、開始1分半で飯田遼の連続3ポイントシュート、これにリース・ヴァーグも続いてリードを広げる。その後はポイントガードの兒玉貴通によるゲームメークによりインサイドを重点的に攻め、三遠のディフェンスが中に寄れば再び外から攻めて、ヴァーグに安部瑞基の連続3ポイントシュートで点差を2桁に広げる。素早くパスを繋いでアンガス・ブラントからヴァーグへの合わせ、ブラントが仕掛けてのバスケット・カウントとインサイドの攻めも当たり、快調に得点を伸ばしていった。

前半を終えて51-37と香川がリード。34本放ったシュートのうち20本が3ポイントシュートで、うち10本を成功させた。三遠のディフェンスの難を徹底して突き、フィールドゴール成功18本のうち16本にアシストが付いている。

香川は主力選手の大半が昨シーズンから継続して在籍しており、ヘッドコーチは今夏に交代したが石川裕一はポール・ヘナレのアシスタントを務めており、昨シーズンからの継続路線が取れている。そのためシーズン開幕から1か月のこの時点でもチームの完成度が高く、今シーズンのB2ではここまで6勝2敗で西地区首位を走っている。その特長はこの天皇杯でも生かされた。これに対して三遠のディフェンスは完全に後手に回ってしまい、オフェンスもリズムに乗れない。

後半に入っても香川のペースは続く。ディフェンスのローテーションで連携が取れ、なおかつ各選手の足もよく動いてズレを作らせない。一方で三遠のローテーションは噛み合わず、どこかが空けば兒玉に見逃さずパスを通され、イージーなシュートチャンスを作られた。点差が20に広がってタイムアウトを取った直後にもブラントにオフェンスリバウンドを押し込まれ、兒玉のアシストから簡単に谷口光貴をフリーにしてしまい、3ポイントシュートを決められる。

72-50と香川の大量リードで最終クォーターへ。香川は明日の試合を見越して主力のプレータイムを調整したこともあってイージーなミスが目立ち始めたが、飯田に伊集貴也、ヴァーグと3ポイントシュート攻勢は止まらず。かなりの時間を残して勝敗は決した。

最終スコアは95-71。3ポイントシュート11本中7本成功の26得点と絶好調だったヴァーグは27分半プレーしたが、エースのテレンス・ウッドベリーは13分半、インサイドの要であるブラントも20分と、明日の試合に備えて過度の消耗を避けられた。それと同時に飯田、頓宮裕人、筑波拓朗とベンチメンバーがチャンスをモノにして結果を残している。

明日はアルバルク東京vs滋賀レイクスターズの勝者との対戦となるが、ここにも士気高くチャレンジできそうだ。