ザック・ラビーン

写真=Getty Images

「1990年代の栄光を取り戻せるように努力する」

ザック・ラビーンは、ようやく本来の姿を取り戻しつつある。

1年半前に左ひざ前十字靭帯を断裂する重傷を負ったラビーンは、復帰までに約1年の月日を要した。長く、苦しいリハビリを続けていた間にブルズにトレードされ、デビューを飾れたのは2018年1月13日のピストンズ戦。その後24試合に出場して平均16.7得点、3.9リバウンド、3.0アシストを記録して、新天地での1年目を終えた。

ラビーンの持ち味は、2度もダンクコンテストで優勝した身体能力と、高い得点力にある。ファーストステップが素早く相手ディフェンスにプレッシャーをかけ、ペリメーターからジャンプシュートを決める、あるいはアタックして自らスペースを作り出すプレーにも優れている。

復帰してから力の一端は見られたものの、本来のリズムでプレーできた試合は少なかった。オフの間も精力的にトレーニングを続けているラビーンは、『SLAM』に「スピードも、跳躍力も戻った」と語り、復活を宣言した。

「前十字靭帯を断裂した後は、筋力を上げるトレーニングをするし、僕の場合は体重が95kgくらいまで増えてしまった。そこまで重くなったことは今までなかったね。自分はポストアップの選手ではない。僕の武器はスピードと身体能力。だから適正体重に落とす必要があった。今も身体の力強さは残ったままだよ。シーズンが待ち遠しいね」

オフに制限付きフリーエージェントになったラビーンにキングスが関心を示し、4年7800万ドル(約87億円)を提示。安くはない金額にブルズが即マッチしてチームに残した理由は、23歳のラビーンに期待しているからに他ならない。

今シーズンのブルズは、昨シーズンのオールルーキー・ファーストチームに選出されたラウリー・マルッカネンを中心に、ラビーン、クリス・ダン、シックマンとして開花したボビー・ポーティス、オフに獲得したシカゴ出身のジャバリ・パーカーが主力になると見られている。今年のドラフト全体7位で指名したウェンデル・カーターJr.は即戦力として期待され、同じくドラフト22位で指名したチャンドラー・ハッチソンも将来性が見込まれているため、これからが楽しみなチームだ。

ブルズファンへのメッセージを求められたラビーンは、次のようにコメントしている。

「準備万端で待っていてもらいたい。シカゴは熱狂的なスポーツファンが多い街だし、ファンの皆には勝利が相応しい。皆が熱狂した1990年代の栄光を取り戻せるように努力する」