「個人的には、満足のいくプレシーズンは経験したことがない」
ベテラン揃いのレイカーズにとってプレシーズンゲームはコンディション調整のためのもので、勝敗は重要ではない。しかし、あまりにパフォーマンスがひどいと周囲はわざつき始める。現地10月10日に行われたサンズとの一戦は、そんなパフォーマンスでの94-123の敗戦となった。前半ラスト1分で0-9のランを浴びて44-51と突き放されると、後半はひたすらスコアを離された。
レイカーズではレブロン・ジェームズが欠場したが、サンズにはデビン・ブッカーがいなかった。それでこのパフォーマンスの差は少々厳しいものがある。特にひどかったのはラッセル・ウェストブルックで、26分の出場で8得点2リバウンド5アシスト。問題はターンオーバーが9もあったことだ。
しかし、試合後のウェストブルックは深刻に受け止めてはいない。「サンズは長く一緒にやっていて、お互いのことをよく知っている。僕らはこれまで全員が一緒にプレーしたことがない。まだ試行錯誤してアジャストしているところだ。まだ時間はある。開幕してもいないんだから、誰と何回プレーしたかをカウントする必要もない。大事なのはゲームから学んで、良くなることだ」
それが強がりでないことは、彼の表情が示していた。「大丈夫、タイミングだけの話だから調整するのは簡単だよ。チームメートはみんな、僕のスピード、僕のペースに慣れてくる。僕はタイミングを取り戻し、みんながプレーしやすいようにするだけさ」
「ここ数年は移籍を繰り返して、新しいチームメートとプレーしている。自分のペースを調整して、チームメートが得意なプレーに合わせることを学んできた。僕のスピードは武器だけど、チームメートに合わせるプロセスが必要だ。良いプレーができていて、後半にペースを上げた時に見失ってしまうこともある。すべてを正しく噛み合わせるのが大事なんだ」
「個人的には」と言って彼は笑う。「満足のいくプレシーズンは経験したことがない。でも、心配したこともない。多くの選手とは初めてプレーするし、お互いを理解しているわけじゃない。みんな久々の試合でもある。だから、まだ学ばなければいけないんだ。開幕までには良い解決策を見いだせるはずだ。ただ、そこでまた新しい課題も出てくる。それは当然のことだと分かっているし、落ち着いて本来の目標に集中するんだ」
これはウェストブルックだけの考えではなく、チームの共通認識のようだ。ヘッドコーチのフランク・ボーゲルも「彼はチームメートを自分のペースに巻き込んでパスを出し、新たなバスケを作り出そうとしているところだ。新しいチームメートと新しいシステムだから、時間がかかるのは理解している。心配ないよ」と語る。またアンソニー・デイビスも「次の試合になれば全然違うだろうから、見ててくれ」とコメントしている。