「5連覇という素晴らしい結果を残せてとてもうれしく思います」
バスケットボール女子日本代表は中国との接戦を制し、アジアカップ5連覇を達成した。
東京オリンピックでも銀メダル獲得に大きく貢献した赤穂ひまわりは、このアジアカップでは大会MVPに選出された。ひまわりは大会後の会見で「すごくホッとしているのが一番あって、5連覇という素晴らしい結果を残せてとてもうれしく思います」と喜びを語った。
ひまわりはアジアカップでの5試合を通じて、チーム最長となる平均プレータイム29.5分で10.6得点、5.0リバウンド、1.6アシスト、2.2スティールとマルチな活躍を見せて金メダル獲得に貢献した。また、スタッツには残らないようなディフェンスでの貢献度も高く、誰もが納得のMVP獲得となったが、本人の受け止め方は少し違った。
安定した活躍を見せたひまわりだったが、中国との決勝戦では33分51秒のプレータイムで無得点に終わった。それだけに本人は「決勝ではみんなに迷惑をかけて良いプレーができませんでしたが、チームバスケで取れたMVPなので、みんなに感謝しかないですし、ありがとうございますって。感謝です」と言う。
「みんなに迷惑をかけた」と語った中国戦だが、得点以外のスタッツは8リバウンド1アシスト1ブロックを記録。中国の一番のストロングポイントである2m超えのビッグマンに素晴らしいタイミングでのダブルチームを仕掛けて自由にプレーさせず、リバウンドにも奮闘。身体を張ったプレーでチームを支えた彼女なしでは、優勝はあり得なかった。
それは恩塚亨ヘッドコーチも同じ気持ちで「これだけ身体を張って、死力を尽くして、最後はまともに立てなくなるまで頑張っておきながら、得点を取れなかったことに謙虚に向き合う彼女の姿勢に尊敬します」と、ひまわりを称えた。
「今までと違う立場でやれたのはすごくプラスになりました」
「個人的には納得のいくプレーができた試合は限られていた」と語るひまわりだが、「その中でもやるべきことを見つけて、最低限はやることができたのかなと思います」と言い、こう続ける。「チーム的にも大会を通じてあまり良いバスケができませんでしたが、決勝では足も動いて良いバスケができたので、大会を通じてどんどん成長できたと思います」
代表での経験は豊富だが、ひまわりはまだ23歳と若く、これまでは先輩たちについていく立場だった。それでも今回の代表チームは若手主体の編成になり、彼女の立場も変わったことで「今回はすごく学べたことが大きかった」と言う。
「今までと違う立場でやれたのはすごくプラスになりました。先輩たちが帰ってきても、今回学んだことをプラスアルファして表現していきたいです」