エチェニケとメイヨの中に辻直人の外とオフェンスが機能
広島ドラゴンフライズとレバンガ北海道はどちらもヘッドコーチが交代し、選手も大きく入れ替わっての再スタート。
立ち上がりから両者一歩も譲らない展開に。広島がエースのグレゴリー・エチェニケと新パートナーのニック・メイヨがゴール下をこじ開け、日本人選手も含めてオフェンスリバウンドに積極的に飛び込み分厚い攻めを見せるのに対し、北海道はバランスアタックが良いフィニッシュに繋がらず、第1クォーター中盤に5分近く得点を挙げられない。広島はセカンドユニットでもトーマス・ケネディとチャールズ・ジャクソン、青木保憲の活躍でオフェンスの勢いを落とさず、開始7分強で15-6までリードを広げた。
それでも北海道もベンチから出た橋本竜馬がチーム全体を落ち着かせ、ピック&ロールから得点源のデモン・ブルックスとショーン・ロングに良い形でボールを回すようになると得点が動き出した。
第2クォーターに入ると辻直人にスイッチが入る。パスを回して様子見だった立ち上がりから一転してアタックモードに入ると、3ポイントシュート3本成功を含む13得点を荒稼ぎ。第1クォーターの広島はひたすらインサイドアタックで、辻もそのサポートに回っていただけに、北海道のディフェンスは対応できなかった。
それでも北海道はブルックスとロングを中心に得点を重ねて粘っていたのだが、後半に入って広島が突き放す。北海道のピック&ロールに対してカバーの意識を強め、ズレを作られてもイージーシュートのチャンスを与えず、その守備の良いリズムは攻撃にも波及した。辻とのコンビネーションからメイヨがイージーダンクに持ち込み、エチェニケがゴール下の密集地帯でオフェンスリバウンドを取ってはねじ込み、相手がスティールに成功しかかったところで寄せて奪い返したジャクソンのバスケット・カウントに繋ぐなど怒涛の猛攻で、33-15のビッグクォーターを作り出した。
第4クォーター、北海道が効率の良いバスケから一歩踏み出し、ダニエル・ミラーがパサーに回ったり、ブルックスがメイヨ相手に2ポゼッション連続で強引に仕掛けてフィニッシュに持ち込んだりと、広島の予想を上回る攻勢を見せるが、メイヨも個人技で得点を奪い返す。さらにオフェンスリバウンドでは常に広島が優位で、劣勢を覆すには至らない。8点差まで追い上げたものの、残り1分を切ってブルックスがファウルアウトになり万事休す。広島が最終スコア83-75で開幕戦を制した。
北海道はアシスト数とフィールドゴール成功率と効率の良さでは広島を上回ったものの、オフェンスリバウンドで7-17、セカンドチャンスポイントで20-9と差を付けられたのが響いた。また広島は辻と寺嶋良が2桁得点とバランスが良く、誰が出ても勢いが落ちなかったのに対し、北海道の得点は外国籍選手に偏った。もっとも、広島は2桁のリードを奪った後にディフェンスの強度が落ちることが課題。オフェンスに特長のあるチームだけに、ここはシーズンを通して向き合っていく課題となりそうだ。
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