林咲希

「相手に合わせずに最後までやり切る強さがついてきた」

アジアカップ5連覇を目指すバスケットボール女子日本代表は、グループラウンドを3連勝で1位通過し、準決勝進出を決めた。

初戦のインド戦は136-46と圧勝するも、続くニュージーランド戦、韓国戦では苦戦を強いられた。日本のトランジションバスケを封じられ、得点が伸びない時間帯が2試合とも続いたが、ディフェンスの強度を落とさずに耐え続けることで、相手の体力を奪い勝利をつかみとった。

キャプテンを務める林咲希は3試合を終えて「インド、ニュージーランド、韓国とどんどん強いチームと対戦する流れでしたが、相手に合わせずに最後までやり切る強さがついてきたと思います」と手応えを語った。「交代で出るメンバー、一人ひとりが自分の役割を理解してコートに立っていると自分も感じていて、みんなが成長しています」

その一方で、課題もある。日本の強みは激しいディフェンスからの走るバスケット。世界が相手では高さで劣る分、速いバスケットを展開して主導権を握りたいところ。林は韓国戦を振り返りながら「今日は速攻が決まった時に、やっと日本の流れが来たなという気持ちでした」と言い、決勝トーナメントを勝ち抜くためにはリバウンドがカギになると語る。

ニュージーランド戦のリバウンド数は33-42、韓国戦は38-44となり、林は「リバウンドが取れていない分、あまり走れていない印象があります」と続けた。「これからの課題はリバウンドから走ってブレイクに繋げるのを増やすこと。セットプレーだと相手が大きくて攻めにくくなるので、リバウンドをもっと粘って、走ってブレイクの流れを作っていければと思います」

林咲希

「40分間声を出し続けることが大事」

そのリバウンドを取るためには、インテンシティの高いディフェンスが欠かせない。韓国戦では相手に27本中11本の3ポイントシュートを許し、勢いを与えてしまった。林は「韓国の3ポイントシュートが途中でポンポンと入り出した時にすぐに対応できませんでした」と言い、その原因がコミュニケーションにあると続けた。

「一人ひとりの意識も大事ですが、ピック&ロールのところでスイッチをするのか、しないのかというコミュニケーションがちゃんと取れていませんでした。韓国のスクリーンのタイミングが良かったこともありますが、自分たちのコミュニケーションミスが多かったので、40分間声を出し続けることが大事になってきます」

日本代表は中2日を挟んで、決勝トーナメントに挑む。5連覇達成まであと2勝となり、林は「正直、楽しみです。ちょっと休んで早く試合がしたいです」と笑顔で語った。「プレッシャーは、ほぼほぼないです。このチームでどれだけやれるかが本当に楽しみなので、そこだけにフォーカスしていきたいです。自分が先頭に立って、みんなを盛り上げていけたらという気持ちです」

試合を重ねるごとに課題も浮き彫りになっているが、その分チームとして成長している若き日本代表は、明日の準決勝でオーストラリアと対戦する。