エネス・カンター

「人の命よりも大事なものなんてあるのだろうか?」」

今週からトレーニングキャンプが始まるNBAでは、新型コロナウイルスのワクチン接種に難色を示す選手の存在が問題となっている。

昨シーズンのNBAではチーム内での感染拡大を防ぐため、行動に厳しい制限を設ける健康安全プロトコルを制定。それでも感染者を完全に抑えられたわけではなく、プロトコルが適応された選手たちは、一定期間チーム合流や練習参加、試合出場が認められなかった。実際問題として、同じチームの複数の選手が同じ時期にプロトコルに抵触してプレーができなくなるケースも複数起きており、最終的なチームと個人の成績にも決して少なくない影響を及ぼした。

今シーズン開幕に向けてチーム内でのワクチン接種は進んでいるものの、約10~15%の選手がワクチン未接種のままだと言われている。選手会は多様性を重んじ、選手個々の考えを尊重している。ただ、これではいつまでたっても接種率100%には近づかない。中には宗教を理由にワクチン接種を拒否している選手もいるが、セルティックスのエネス・カンターはそうした勢力に物申している。

自身もイスラム教徒であるカンターは、『Rolling Stone』の取材に応じ「宗教を理由にワクチンを接種していない選手がいるようだけど、今は宗教と科学が同居しないといけない時代だ。信仰心が強い人たちと話してきたけど、人の命よりも大事なものなんてあるのだろうか?」と答えた。

高額な報酬を得ているNBA選手の本分は、試合に出場し、ファンの前で高いレベルのバスケットボールを見せ、チームを勝たせること。カンターは、ワクチン未接種により選手が試合に出場できなくなる事態に対して、NBAプレーヤーの一人として正論を語った。

「ワクチン未接種の選手が1週間も2週間もチームを離れるような事態になったら、シーズン自体に影響を及ぼしかねない。僕たちは優勝するためにやっているんだ」