デュラントからディフェンスとリバウンドの負担を減らす補強に
ポール・ミルサップはジャズで7年、ホークスとナゲッツでそれぞれ4年を過ごした後、NBA16年目のシーズンをネッツで迎えることになった。
2017年に3年9000万ドル(約98億円)で加入したナゲッツでは、若いチームおけるベテランの責務を十分に果たした。1年目こそ1勝の差でプレーオフ進出を逃したものの、その後は3シーズン連続でプレーオフに進出。ニコラ・ヨキッチとジャマール・マレーに代表される若いタレントに、試合に勝つ方法とプロフェッショナルのあり方を教え、自らも主力として活躍し続けた。
それでも今年2月に36歳となり、昨シーズン途中にアーロン・ゴードンが加わると控えに回ることに。さらに今オフ、ナゲッツがジェフ・グリーンを獲得したことで、このチームにおけるミルサップの役割は終わりを迎えていた。フリーエージェントとなったミルサップはベテラン最低保証額でネッツと契約。結果としてはジェフ・グリーンと入れ替わった形となる。
ナゲッツを優勝候補へと育て上げたミルサップが次に選んだミッションは、キャリアでいまだ成し遂げていないNBA優勝だ。
ブレイク・グリフィンとニコラス・クラクストン、ルーキーのディロン・シャープといったインサイド陣にミルサップは加わる。昨シーズンのナゲッツではプレータイムを減らしたものの、セカンドユニットの攻守を牽引する力は見せており、身体的な衰えが目立っていたわけではない。ゴール下で身体を張り、味方のためにスペースを作り出すミルサップが期待通りのパフォーマンスを見せれば、昨シーズンはインサイドのディフェンスとリバウンドにかなりの労力を割いたケビン・デュラントの負担を減らすことができる。試合の流れが悪い時の精神的な強さも、ネッツの他のメンバーにはないミルサップの強みだ。
優勝を求めるベテランが最低保証額で強豪チームに加わるのはNBAの最近のトレンドとなっている。ミルサップがネッツにどれだけの影響を与えられるか。豪華オフェンス陣を支えるベテランとしては、最良の選手を補強できたと言えそうだ。