イタリア代表のポイントガードとして活躍したニコ・マニオン、ウォリアーズが保有権を持ったまま母国でのプレーを選択

イタリア代表のポイントガードとして活躍したニコ・マニオン、ウォリアーズが保有権を持ったまま母国でのプレーを選択

2021/08/31 12:20
ニコ・マニオン

「たくさんプレーして自分の成功とミスから学びたい」

ニコ・マニオンの今夏は充実したものとなった。ベオグラードでの世界最終予選でセルビアを破って東京行きの切符を勝ち取り、オリンピックではドイツとナイジェリアを撃破してグループリーグを突破。最後はフランスに敗れたものの、2004年大会以来のオリンピックでの決勝トーナメント進出は、イタリア代表にとって大きな成功だった。マニオンはイタリアの先発ポイントガードとして、22.1分のプレータイムを得て12.5得点、4.5アシストと素晴らしい結果を残した。

その一方で、今オフはNBAを離れることになった。昨年のNBAドラフトで全体48位指名を受けたウォリアーズと2ウェイ契約を結び、ステフィン・カリーのバックアップとして30試合に出場。平均12.1分のプレータイムで4.1得点、2.3アシストとそれなりの結果は残したものの、彼は変化を求めた。エージェントには「正式契約のオファーがなければヨーロッパに戻る」と伝えていたという。

マニオンは『The Athletic』の取材に対し、「ベンチに座って学ぶことはできる。でも、実際にたくさんプレーして自分の成功とミスから学びたい。そんなチームに行くことが自分にとってベストだと考えた」と語っている。

結果として彼は、ウォリアーズが権利を保持したまま、イタリアのヴィルトゥス・ボローニャと契約を結んだ。ヴィルトゥスは昨シーズンの優勝チームで、先発ポイントガードとしてマニオンを迎え入れた。Gリーグと行ったり来たりを繰り返しながらではあったがウォリアーズで多くを学び、イタリア代表で自信を高めた彼は、新たなシーズンに勝敗の責任を背負う立場となる。

190cm86kgとやや線は細いがインサイドにも臆さず仕掛ける能力を持ち、迷いのないパスワークでチームメートの持ち味を引き立たせる。イタリア代表で見せたそのプレーは、実戦経験を積むことでより向上するはずだ。

大事なのは、彼はNBAでの挑戦をあきらめたわけではないことだ。この1年でオフェンスではオフボールでの動きの質を向上させ(カリーを間近で見続けた成果が出るはずだ)、ディフェンスではスイッチやヘルプの状況判断を改善させる。持ち味のクイックネスを犠牲にすることなく、筋肉量を増して1対1で押し込まれないフィジカルを作る必要もある。そして試合に出続けることで『チームを勝たせるポイントガード』という印象を作り上げるのも大事なミッションとなる。そのすべてを、この1年で彼はやってのけるだろう。そして来年にはNBAでの本契約を勝ち取るつもりだ。

NBAで活躍したイタリア人の先人たちのアンドレア・バルニャーニ、マルコ・ベリネッリ、ダニーロ・ガリナーリに劣らぬ才能を持ち、アメリカの大学(アリゾナ大)を経験して10代のうちにNBAデビューを飾ったマニオンには、輝かしいキャリアが約束されているように見える。ウォリアーズも彼の保有権を残したということは、一度ヨーロッパに戻って経験を積むことで、さらに優れた選手に成功できると見込んでのことだろう。NBAの舞台ではしばらく見られないが、マニオンのことを覚えておいて損はない。

RECOMMEND