ダニエル・ギャフォード

「落ち着いてプレーすることができれば、NBAで長く活躍できる」

ウィザーズはラッセル・ウェストブルックが去ったものの、カイル・クーズマにモントレズ・ハレルなど主力を務められる戦力がトレードで加入した。スペンサー・ディンウィディーやアーロン・ホリデーも加わっており、チームの顔ぶれは刷新された。しかし、ウェストブルックが抜けた穴は大きく、ブラッドリー・ビールの負担は増すことになりそうだ。このチームが安定して結果を残すにはビールの活躍は大前提だが、エースをサポートするメンバーの成長が欠かせない。そういう意味では八村塁を始めとする若いタレントのステップアップは、新シーズンも変わらず重要なものとなる。

その中で特に期待が寄せられるのはダニエル・ギャフォードだ。昨シーズン途中にブルズから獲得した22歳のセンターは、ウィザーズに来てすぐにブレイクを果たした。ブルズ時代は目立たない控えだったが、移籍を機にスタッツは大幅に伸び、ビールとウェストブルックに相手ディフェンスの注意が引き付けられるギャップを突くパワフルな動きは大いに目立った。そして崩壊気味だったウィザーズのディフェンスを一人で支えるリムプロテクターとしての働きも光った。

ロビン・ロペスとアレックス・レンを手放したのは、ギャフォードへの信頼の高さの表れだ。実績ではハレルが上だが、その契約は残り1年で、伸びしろを考えればギャフォードと来シーズンのどこかでケガから戦線復帰するトーマス・ブライアントが重用されることも十分に考えられる。

昨シーズン終了時点で、ウィザーズのトミー・シェパードGMは「チームが前進するための重要なピースだ」とギャフォードを評している。彼自身もウィザーズでの2カ月、そしてファーストラウンド敗退に終わったとはいえ自身初のプレーオフを経験したことで大いに自信を強め、こんなコメントで昨シーズンを締めている。

「僕に必要なのは精神的に落ち着いてプレーすることだけ。それさえできればNBAで長く活躍できると思う。多くの人が『あいつは何を言っているんだ?』と思うかもしれないけど、それは彼らの意見だ。僕はこのリーグで成功を収められると思っている。この意見が正しいと証明したい」

これからトレーニングキャンプが始まれば、人々の関心は新加入組に向けられるだろう。それでもウィザーズの命運を握るのは、八村とデニ・アブディヤ、コーリー・キスパートのドラフト1巡目指名組、そしてギャフォードとブライアントの『ヤングコア』だ。