ルカ・ドンチッチ

写真=Getty Images

来年のワールドカップには参加する意向

2018-19シーズンの新人王候補に挙げられているマーベリックスのルカ・ドンチッチが、9月中旬に行なわれるワールドカップヨーロッパ2次予選出場を辞退した。

ドンチッチは、スロベニア代表として2017年の夏に開催されたユーロバスケットに出場し、平均14.3得点、8.1リバウンド、3.6アシストの活躍で、母国にとって初の欧州制覇をもたらした。同大会のベスト5にも選出されたドンチッチは、今年のNBAドラフト前に「また代表のユニフォームを着てプレーしたい」と語っていたが、他のヨーロッパ出身NBA選手と同様に、所属チームのトレーニングキャンプ時期に重なることを出場辞退の理由に挙げている。

ドンチッチは、Twitterに次のメッセージを投稿した。

「先日アメリカに到着してから、素晴らしい経験をいくつもさせてもらっている。マブスでの試合を待ち焦がれ、チームの目標を達成するためハードワークをスタートさせる今の心境を表すのは難しい。その前に、今の気持ちを、兄弟のような代表でのチームメートたちと共有したい」

「母国を代表して戦うこと以上に名誉に感じられることはない。僕の気持ちは、ワールドカップ予選に向けて準備している彼らとともにある。今回は一緒にプレーできないけれど、みんなが成すべきことをしてくれると思っている。僕の人生において、これまでに達成した目標の中で一番大きかったことの一つは、スロベニアにとって初の金メダルを獲得したチームの一員でいられたこと。僕は、次の国際大会には出場して、チームを引っ張りたいと思っている。今回は、アメリカから応援させてもらうよ。チームのみんなには、実力を発揮してもらいたい。これからも良い結果を残そう。またすぐに合流するから」

ドンチッチは、もし母国が予選を勝ち上がり、コンディションに問題がなければ、来年中国で開催されるワールドカップに出場する意思を示したが、スロベニアは6試合を終えて2勝4敗でグループIの最下位に低迷している。ドンチッチがワールドカップで躍動する姿を見るには、9月14日のラトビア戦、17日のトルコ戦に勝って順位を一つでも上げたいところ。予選は来年の2月まで続き、各グループ上位3位までに本大会出場権が与えられる。

もしリーガACBのレアル・マドリーに留まっていたら、ドンチッチは予選に出場していただろう。だが、2017-18シーズンにユーロリーグ初優勝を成し遂げた他、オール・ユーロリーグ・ファーストチーム選出、史上最年少となる19歳でユーロリーグMVP、ファイナル4 MVP、リーガACBのMVP受賞、そしてリーグ優勝を達成し、欧州の個人タイトル、チームタイトルをほぼ総なめにしたドンチッチは、夢だった世界最高峰のリーグ挑戦を決めた。

今年のドラフトで指名された選手の中では、実力、経験ともに抜きん出ているドンチッチであっても、NBAでは新人として扱われる。それに新たなチームメートとの連携、戦術理解も含め、環境の違いにも適応する必要があるため、今回の予選を辞退した。

すべてはNBAでの1年目に結果を残すため。スロベニアが見事に予選を通過できれば、NBA経験を積んで逞しさを増したドンチッチが、1年後、母国を背負いコートに立つ姿が見られるはずだ。