ナジ・マーシャル

「僕らは一生懸命にプレーし、お互いに協力しながら戦った」

サマーリーグはキングスの優勝に終わったが、全チームが5試合を行う大会方式で、ファイナルは4試合終了時点の成績上位2チームの対戦となる。その時点で4戦全勝だったキングスとセルティックスがファイナルに進出した。ペリカンズもまた4連勝していたが、得失点差によりファイナル進出を逃している。そのペリカンズは最終戦でティンバーウルブズにも勝ち、5戦全勝で大会を終えた。

昨シーズンのペリカンズは冴えない1年を過ごした。経験豊富なスタン・ヴァン・ガンディをヘッドコーチに据えて出直しを図ったが、ザイオン・ウイリアムソンとブランドン・イングラムの両エースは期待を裏切ったとは言わないまでも、大きな成長は見られず。ザイオンがシーズンの半分を欠場したルーキーイヤーの30勝42敗から、31勝41敗と1勝を上積みしただけに終わった。ヴァン・ガンディは選手と良いコミュニケーションが取れなかったとして1年限りで解任されたのだが、その様子はシーズン途中にも見て取れる、不完全燃焼のシーズンだった。

それでも、一つの収穫はナジ・マーシャルだ。2ウェイ契約でペリカンズにやって来たルーキーは、主力選手にケガが相次いだシーズン終盤になってプレータイムを与えられると、アグレッシブなプレーで結果を残すとともに正式契約を勝ち取った。

その彼はサマーリーグにも参加し、ザイオンもイングラムもいない若手主体のチームを攻守に引っ張った。昨シーズン終盤はガードとして起用されたが、今回は本来のポジションであるフォワードとしてプレー。それでも力強いアタックだけでなくボールさばきの良さも見せ、最終戦ではウルブズ相手に5得点10リバウンド10アシストとオールラウンドな活躍を見せている。

ヴァン・ガンディに代わってチームを率いるウィリー・グリーンは、このサマーリーグでも指揮を執った。「大会方式に合わせた戦いはできなかったが、5勝0敗は素晴らしい結果だ。より重要なのは、チームに勝者の習慣があったこと。すべての試合に勝ちたいと願い、試合のたびに成長した」と指揮官は語り、チームを引っ張ったナジのリーダーシップも称えている。

ナジはファイナル進出を逃したことを理解していながら「僕らはチャンピオンだ」と胸を張った。「僕らは一生懸命にプレーし、お互いに協力しながら戦った。このチームはもっともっと上に行ける。これから、この仲間たちと練習を重ねていく。そうして迎えるシーズンの開幕が楽しみだよ」

昨年のドラフト全体13位で指名したカイラ・ルイスJr.もナジと同じく活躍し、今年のドラフトの1巡目17位で指名したトレイ・マーフィー三世は期待通りのプレーを見せ、2ウェイ契約選手のダルトン・ホルムズのような新戦力の発見もあった。ザイオンとイングラムというチームの核はいる。彼らを支える戦力として、サマーリーグで自信を付けた選手たちにはさらなる成長が求められる。