ルカ・ドンチッチ

東京オリンピックではスロベニアのエースとして4位に入賞

ルカ・ドンチッチは東京オリンピックで主役を演じたが、彼を中心に据えたスロベニアは準決勝でフランスに、3位決定戦でオーストラリアに敗れて、メダルは手に入らなかった。最後の試合を終えた後、ロッカールームで泣きはらしたであろうドンチッチは目を赤くして会見に応じ、「誰もがメダルを目標にして頑張ってきたから、今は悲しい気持ちしかない。でも、世界中の人たちがスロベニアを見直したと思う」と語っている。

もっとも、気分がふさぎ込む時間は長くはない。オーナーのマーク・キューバン、新たなヘッドコーチに就任したジェイソン・キッドなどマーベリックスの一行がドンチッチの故郷リュブリャナにいる。5年2億700万ドル(約225億円)の契約を結ぶためだ。ドンチッチは代表に合流して最初の会見で「しばらくマブスの話はなしだ。スロベニアに集中したい」と宣言した。その通り、オリンピックにすべてを打ち込んだが、これからは自分とマブスの将来について考える時だ。

これまでマブスの球団史上最大の契約はクリスタプス・ポルジンギスの5年1億5800万ドルだったが、これを大幅に上回る。オールNBAに2度選出されたことで超大型契約の提示が可能となった結果だ。正式な発表と会見は、現地時間の今日行われる予定となっている。

『ESPN』に対しドンチッチは次のようなコメントを発表している。「夢がかなった。バスケットボールは僕に多くのものを与えてくれて、素晴らしい場所に連れて行ってくれる。今回、マーベリックスの一員としてダラスに残ることが決まって興奮しているよ。僕はマブスの組織と強く結び付いているし、ファンのみんなのサポートに感謝している。バスケットコートの中でも外でも、未来が待ち遠しい」

ドンチッチは22歳の若さにしてヨーロッパで実績を残し、NBAでは1年目の2018-19シーズンにルーキー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、続く2年目はオールNBAのファーストチームに選ばれている。ただ、チームは2シーズン連続でプレーオフのファーストラウンド止まり。新たな契約を結んだドンチッチは、リーダーとしてマブスをその上へと引き上げる責任を背負う。