男子日本代表

文=鈴木健一郎 写真=小永吉陽子

8人の日本代表、ファウルトラブルに苦しむ

アジア競技大会に参戦する5人制バスケットボールの男子日本代表は、昨日イランに敗れて準々決勝敗退が決まったが、順位決定戦に回って今日はフィリピンと対戦した。フィリピンは6月に終わったワールドカップのアジア1次予選で対戦し、2敗を喫した難敵。そこにNBAのキャバリアーズからジョーダン・クラークソンが加わり、隙のないチームとなっていた。

4選手が不祥事で帰国した日本代表は8人で戦っており、昨日に続く連戦は体力的にも精神的にも厳しかった。前日に足首を痛めたベンドラメ礼生がベンチに回り、日本のスタメンは中村太地、辻直人、熊谷尚也、張本天傑、太田敦也。それでも21歳と若い中村がスタメン起用に応えて強気のプレーメークを展開し、辻直人の3ポイントシュートから始まった第1クォーターは打ち合いの末に27-27のハイスコアゲームとなった。

第2クォーターも流れは変わらず47-50と粘りを見せていたが、ラスト1分強で連続失点を喫して47-57で前半を終える。そして後半、そこからさらに勢いを増したフィリピンに圧倒されることに。後半開始から4分間無得点の間に47-68と突き放されてしまい、ここで2度のタイムアウトを使って立て直しを図るも、8人でローテーションする日本にはもう余裕がなくなっていた。

フィリピンのギアの上げ方はワールドカップ予選以上で、それを止めようとする日本はファウルが重なり第3クォーター終了時点で太田とベンドラメが個人ファウル4つに。この時点で64-82と厳しい点差であり、ファウルを気にして激しく当たれないとなれば挽回はさらに難しい。最後まで戦う意志は見せたが、終盤には玉木祥護、太田、張本と立て続けに個人ファウル5つで退場に。最終スコアは80-113。前日に続く大敗となった。

序盤こそフィリピンと競った日本だが、ディフェンスは終始安定しなかった。その要因となったのはフィリピンのクラークソンだ。最初にマッチアップした熊谷も、その後に付いた中村もベンドラメも彼を止められず。クラークソンはスコアラーとしてもゲームメーカーとしても突出したプレーを見せ、試合を支配して22得点9アシストを記録。フィールドゴール成功率が52本中30本の58%と高確率、最終的に113点を奪うフィリピンのオフェンスを引っ張った。

男子日本代表は31日に最後の試合、7-8位決定戦を戦う。