馬瓜エブリン

「周りに流されずにやれるのが自分の良いところ」

「やっぱりオリンピックなので、無観客でもみんな緊張すると思いますし、もちろん自分自身も緊張していました。それでも、自分の役割をちゃんと果たしてこようと思っていたので、それができて良かったです」

こう語ったのは、バスケットボール女子日本代表の馬瓜エブリンだ。女子日本代表は昨日、東京オリンピックの初戦で格上のフランス(FIBAランキング5位、日本は10位)と対戦。ラスト1分を切ってもどちらが勝つか分からない白熱した戦いとなったが、 74-70でフランスに勝利した。

バスケットにおいて試合の入り方は重要で、ましてやオリンピックの初戦で、相手は格上のフランスとなればなおさらだ。しかしながら、この試合での日本は序盤に固さが見られ、立ち上がりで9-17とフランスにリードを許した。

しかし、ここで試合の流れを変えたのがセカンドユニットだ。中でもエブリンは、フィジカルを生かした強気なアタックでフランスのディフェンスを崩し、連続得点を決めて日本に勢いを与えた。

オフェンスが停滞している時にコートに送り出されたエブリンだが、あくまでも自分の仕事を全うしただけと明るく振り返った。「自分の役割はそうやって重くなった時に、いかにチームの雰囲気を変えるか。そして周りに流されずにやれるのが自分の良いところだと思うので、それが少しでも出せたのが良かったです」

馬瓜エブリン

「相手がどんな肩書きを持っていようと自分たちのプレーは変わらない」

世界基準で見れば身長181cmは大きくない。それでもコンタクト負けしないフィジカルを持つエブリンの存在は、サイズで劣る日本において欠かせない。

次戦は30日にアメリカ代表と対戦する。金メダル獲得を目指す日本代表にとって、アメリカ代表は避けては通れない。アメリカはFIBAランキング1位の強豪だが、エブリンは「やることはあまり変わらないと思います」と言う。

「ここで特別に何かをやるわけではないので、日本の強みであるディフェンスとトランジションをもっとアメリカ戦でも継続して出していけたら楽しいゲームになるんじゃないかと思います」

そして相手がどんな相手であっても、エブリンは臆することなく、楽しむことを掲げている。「スーパースターと言われている選手たちとやれるのはすごく名誉なことです。でも試合をするとなれば変わらない。相手がどんな肩書きを持っていようと自分たちのプレーは変わらないので、そこは楽しみにして頑張っていきたいです」

フランス戦でチームに勢いを与えたエブリンが、アメリカ戦ではどんな活躍を見せてくれるのか楽しみだ。日本代表vsアメリカ代表の一戦は、7月30日の13時40分から始まる。