ウィリー・グリーン

選手からの信頼が厚いグリーン

ザイオン・ウイリアムソンやブランドン・イングラムという将来有望な若手を擁するペリカンズは今シーズン、ヘッドコーチにスタン・ヴァン・ガンディを迎えて、選手を育てながらも勝てるチーム作りを目指した。

しかし、結果は31勝41敗の西カンファレンス11位に終わり、プレーイン・トーナメントに進出することもなくプレーオフを逃した。球団は6月中旬にヴァン・ガンディヘッドコーチの退任を発表し、その後は新ヘットコーチを発表することなく月日が流れた。

そして、バックスの優勝で幕を閉じたNBAファイナル終了から2日後、ペリカンズはサンズのアシスタントコーチを務めるウィリー・グリーンが新ヘッドコーチに就任したことを発表した。

グリーンは2003年から2015年までの現役12シーズンでセブンティシクサーズ、ホーネッツ、ホークス、クリッパーズ、そしてマジックでプレーし、プレーオフには7回出場した経験を持つ。

現役引退後は2016年からの3年間でウォリアーズでアシスタントコーチ兼選手育成を担当し、2017年、2018年のNBA連覇に貢献している。その後はモンティ・ウィリアムズの下でアシスタントコーチを2シーズン務め、今シーズンはサンズの西カンファレンス優勝と1993年以来となるNBAファイナル進出に貢献した。

ペリカンズのバスケットボール運営部門バイスプレジデントのデイビッド・グリフィンは「ウィリーはNBAで最も尊敬されているアシスタントコーチの一人」とグリーンについてコメントをしている。

「彼はNBAで最も尊敬されるアシスタントコーチの一人として地位を確立しているが、その理由の大部分はたゆまぬ努力と真摯な人柄にある。彼はコーチとして、また元選手としての膨大なバスケット知識と経験を持っている。それに加えて、卓越したリーダーシップ、そして選手、スタッフ、ファンを結びつける天性の能力をチームにもたらしてくれる」

グリフィンがこう語っているように、グリーンはウォリアーズでもサンズでも選手とのかかわり方や人当たりの良さが評価されてきた。

サンズのエースデビン・ブッカーも「ニューオリンズは本当に優れた人がチームを率いることになるね」とグリーンを称え、こう続けている。「だからこそ、ウチから彼がいなくなってしまうのは厳しいけど、大きな視点でとらえなきゃね。彼にだって家族はいるし、彼は長い間努力してきた。これは彼がずっと望んでいたことなんだと思う」

そして、グリーン本人は「この才能あるプレーヤーを擁するチームを率いて前進するために、私を信じてくれた球団に感謝したい」と声明を発表した。「ニューオリンズのような特別な場所で、このような機会を得ることができたことは、とてもうれしく、名誉なこと。これから始まる仕事、そして僕と家族がこのコミュニティに溶け込んでいくことが楽しみだ」

チームを5シーズン率いたアルビン・ジェントリーを昨年オフに解任し、後任のヴァン・ガンディもわずか1年で球団を退くこととなった。選手からの信頼も厚いグリーンが、ザイオンやイングラムを中心としたペリカンズでどのような采配を振るのか注目だ。