ブラッドリー・ビール

「成長したいと強く願うチーム」では現実的に優勝を狙えない

ウィザーズは昨年秋のジョン・ウォールに続き、今オフにはブラッドリー・ビールも手放す可能性がある。これまでチームへの忠誠を誓っていたビールだが、『Bleacher Report』が彼に近い関係者のコメントとして、彼がトレード要求を検討中だと報じた。NBAの得点王ランキングでステフィン・カリーの32.0得点に続く31.3得点を記録したビールは、リーグでも突出したオフェンス力を誇る。

東京オリンピックには新型コロナウイルスの影響で出場できず、思いがけず早いオフを迎えた彼は、大きな決断を目の前にしている。

問題は、ウィザーズが優勝を狙えるチームではないことだ。ウォールが球団の方針に不満を持って移籍した後、28歳と年齢的にはまだ中堅の彼が若手主体のチームを引っ張ることになった。キャリア最高のスタッツを残すシーズンとなったが、今のウィザーズではプレーオフ進出が精一杯で、勝ち上がる力はない。ビールは「全員が学び、成長したいと強く願うチームだった」という言葉でシーズンを振り返ったが、ウィザーズで今後もプレーを続けるべきかどうか悩んでも不思議はない。ヘッドコーチのスコット・ブルックスが退任し、球団が一つの転換期を迎えたことも、その決断を後押しする要素となる。

『Bleacher Report』は、彼が決断するのであればドラフト前だと予想している。ドラフトは今月末で、指名権を絡めたトレードができれば、交渉の幅は広がる。優勝を狙うことができ、なおかつ彼をロスターに組み込むことができるチーム。候補はいくつかあるが、最有力なのはウォリアーズだ。

『The Athletic』はウォリアーズの中心選手であるステフィン・カリーとクレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンの3人が、7位と14位のドラフト指名権を使って即戦力を補強するよう球団に求めたと報じている。アンドリュー・ウィギンズやジェームズ・ワイズマンもトレード要員になるだろう。ウォリアーズは将来の戦力を失うことになるが、彼らに必要なのは今の主力が全盛期である直近の2、3シーズンでタイトルを一つでも多く勝ち取ることだ。ケビン・デュラントがいた時が王朝の最盛期。その復活のためには、ビールかデイミアン・リラードというインパクトのある補強が必要だ。ここ2年の失敗はもう繰り返せない。

ケンバ・ウォーカーをすでに手放したセルティックスは、ジェイレン・ブラウンをトレード材料にしてもビールを獲得する可能性がある。ベン・シモンズをトレードに出してジョエル・エンビードの新たなパートナーを探しているセブンティシクサーズ、昨シーズンにファイナルまで進んだチームをさらに強化したいヒートも候補に挙がっている。それでも、NBA優勝が現実的に狙えるチームとなれば、ウォリアーズが最も適しているはずだ。ウィザーズとしては、西カンファレンスのチームとのトレードの方がまとめやすい。

ビールの移籍が実現すれば、NBAの勢力図が変わる。果たして彼は新シーズンの開幕を、どんな色のユニフォームを着て迎えるのだろうか。