相手をファウルトラブルに追い込むも、その優位を生かせず
東京オリンピック、3×3男子日本代表は初戦でポーランド代表と対戦。ビハインドを覆し延長に持ち込むも、勝ちを逃した。
開始1分でイージーレイアップ2本と2ポイントシュートを決められ0-4と先行されるが、日本は富永啓生が最初の得点を奪ったのを機に立ち直る。アイラ・ブラウンから富永への合わせ、アイラの2ポイントシュートで5-5の同点に追い付くと、ここからはポーランドが攻撃をセットする前からプレッシャーを掛ける激しいディフェンス、リバウンドもティップで繋ぐチームプレーが効いて、シュートタッチは必ずしも良くなかったが接戦に持ち込んだ。
それでもポーランドは試合の中盤に3本連続成功の2ポイントシュート攻勢で9-14と日本を突き放す。日本も2ポイントシュートで追い上げたいところだが、これが打ち急ぐことになってしまい、この試合を通じて13本中成功わずか2本と2ポイントシュートに当たりが来なかったことで相手を楽にさせてしまった。
それでもハードなディフェンスで煽り立て続けた結果、終盤にポーランドはスタミナ切れを起こし、さらにチームファウルもかさんで失速する。残り2分半で12-18と劣勢だったが、アイラのフリースロー2本成功から日本が猛反撃に出た。
富永は2ポイントシュートが8本中成功1本と当たらなかったが、これに固執することなく味方からパスを引き出し、高い位置でプレッシャーを掛ける相手を巧みなステップワークでかわして連続得点を挙げ、今度はアイラの動きを見逃さずにパスを送りって豪快なダンクをアシスト。残り38秒で1点差とし、しぶといディフェンスで追加点を許さず、アイラの得点で18-18に追い付いた。
2点先取で勝利となるオーバータイム、富永の2ポイントシュートは外れるも、両チームとも体力的に厳しい中で唯一詰めていた落合知也がオフェンスリバウンドを奪ってそのまま得点を奪い、日本が王手を掛ける。もはや走れないポーランドの一発逆転を狙う2ポイントシュートが外れて日本のポゼッションに。しかし保岡龍斗が置きにいったフローターはリングに嫌われ、再びポーランドが2ポイントシュートを狙う。シュートチェックには行っていたが、ここまで2ポイントシュート5本中1本と当たっていなかったポーランドの選手がこの勝負どころでねじ込んで試合終了。日本は劣勢を挽回し、ファウルトラブルも含めて相手を追い詰めながらも1勝を逃した。
2ポイントシュートに当たりが来なかった上、相手のファウルトラブルの時間が長かったにもかかわらずフリースローを2本しか獲得できず、悔やまれる敗戦となった。それでもアイラのパワフルな攻めは相手にとって脅威であり、富永はインサイドに仕掛けてもきっちり得点できる成長ぶりをこの初戦で示し、2人とも7得点を記録。落合は身体を張ったディフェンスに加えて値千金のオフェンスリバウンドと奮闘が目立った。保岡は最後のシュートこそ外したが、チーム最長のプレータイムを得て攻守に奮闘しており、決めていれば勝利の立役者だった。チームとしては勝つべき試合を落とした形となったが、4人ともにポジティブな面は見られた。これを今後の戦いに生かして勝ちを積み上げてもらいたい。