金丸晃輔

渡邊雄太が合流したことで「僕がノーマークで打てる回数が増えると思った」

バスケットボール男子日本代表は昨日、国際強化試合の日本生命カップ2021(沖縄大会)でハンガリーと対戦し、79-58で勝利した。

「出だしから良いスタートが切れて、ディフェンスをハードにできる時間帯が試合を通して長くて、相手を60点以下に抑えることができました。オフェンスでも僕たちはピック&ロールから始まって、そこからのキックアウトやダイブしたインサイドの選手に合わせて、シンプルに攻めることができました」

こうハンガリー戦を振り返ったのは、日本屈指のシューター、金丸晃輔だ。東京オリンピック内定選手が発表された際に、指揮官のフリオ・ラマスが「シューティングガード、シューターとして素晴らしい才能を持っている。重要な選手です」と語ったように、金丸の3ポイントシュートは日本代表の一つの武器でもある。

ラマスヘッドコーチはハードなディフェンスと、オフェンスではスペーシングを意識したバスケットをチームに求めている。これまでもウイング陣のペイントアタックからのキックアウトやインサイドアウトで金丸がフリーで3ポイントシュートを打つシチュエーションは多々あった。この試合からチームに合流した渡邊雄太はゲームハイの25得点と7リバウンド4アシスト2スティール1ブロックを記録し、NBA選手の貫禄を見せつけた。3ポイントシュートを7本中3本成功させて勝利に貢献した金丸は、渡邊が加わったことで生まれた変化をこのように説明した。

「まずペイントタッチをする回数が増えました。あと、彼は高さがあるのでドライブからフィニッシュまで、そして今日もありましたがドライブからダンクだったり。そういうコンタクトにも負けないですし、そうすることで相手のディフェンスが収縮するので、そこからのキックアウトでシューターが生きてきます。そこは今日やっていてすごく助かるなと感じました。僕がノーマークで打てる回数が増えると思いました」

そして、金丸は沖縄大会の残りの2試合で自身がフォーカスしている部分を挙げた。「雄太が合流して試合ができる意味でも合わせていかないといけない部分があるので、その気持ちで沖縄大会には挑んでいます。もっとチームとしても良くなっていかないといけないので、合わせのタイミングをやっていかなきゃいけないという思いです」

金丸晃輔

「内定選手が発表されてからいろいろな思いがあります」

この試合は東京オリンピックの内定メンバー12名が発表されてから、日本代表チームが初めて挑んだ国際試合だ。

2020年2月に久しぶりに代表チームに招集されて以降、候補選手に選出され続け、見事にオリンピック内定選手の座をつかみ取った金丸は、「気が引き締まる思いはありますし、やらないといけないという思いがあります」と、あらためて12名の内定選手に選ばれてからの心境を語ったが、『自分らしさ』を失ってはいけないと続ける。

「内定選手が発表されてからいろいろな思いがありますが、その思いによって3ポイントシュートを決めなきゃいけないとか、そうやって固くなる必要はないと思っています。僕はいつも通りのプレーをするために、そこまで重く受け止めないようにしていますし、今はチームとしてやらなきゃいけないことやディフェンスに意識が向いています」

これから八村塁や馬場雄大といった海外組が合流するが、その中でも金丸らしいプレーでチームの勝利に貢献する姿に期待したい。