「キーマンはいなくて、全員がステップアップしないといけない」
本日、バスケットボール女子日本代表は東京オリンピックに出場する12名のメンバーを発表した。そして、指揮を執るトム・ホーバスがメディア向けの会見に対応した。
今回選ばれた12名のうち、6人がポイントガードやシューティングガードというメンバー構成になっており、いわゆる『スモールボールラインナップ』を選択することになった。ケガからの回復が間に合わず、エースの渡嘉敷来夢がメンバーから外れ、インサイドの高さ不足をトランジションと3ポイントシュートで補う狙いだ。ホーバスヘッドコーチはシューターを複数同時に起用する可能性を示唆した。
「長時間3ポイントシュート成功率が50%や60%を維持することはできないと思う。でも相手がウチの足についていけない時、三好(南穂)や林(咲希)の調子が良い時に2人とも出したい」
3ポイントシュート成功率が勝敗を分ける可能性は高く、それだけシューターのパフォーマンスには期待がかかる。それでも、シューターをフリーにするためのカッティングや、的確なタイミングでボールを配給するガード陣のスキルなど、シュートに持って行くまでの過程が大事であり、ホーバスヘッドコーチもチームバスケットの大切さを説いた。
「ウチの目標は高く、スーパースター選手はいない。このチームにキーマンはいなくて、全員がステップアップしないといけない。自分の仕事をやったらチャンスがあると思っているので、全員で良いチームバスケットをやりたい」
そして、「ハーフコートゲームになったら大変なのでトランジションでアタックしたい。トラップを仕掛けて、アグレッシブなディフェンスをやります」と、ペースアップを考えている。
トランジションを機能させるにはディフェンスリバウンドの確保が重要で、それはインサイドディフェンスにも通ずる。渡嘉敷がいないことで今までのようにゴール下で簡単にアドバンテージが取れなくなるが、指揮官は「いつも通り」と決して不安を抱いていない。「リバウンドは悪くない。まだ調子が戻っていないので、宮澤(夕貴)にもうちょっと頑張ってほしい。東藤(なな子)がリバウンドもよくやっている、小さいから全員でリバウンドにいかないといけないが(赤穂)ひまわり、宮澤、東藤の存在は大きい」
「ウチのローポストディフェンスはアクティブで、フィジカルでバンプもよくやっている。ダブルチームには毎回行きたくないので、相手のビッグマンにボールが渡る前が鍵になる」
就任当始から東京オリンピックでの金メダル獲得を目標に掲げてきたホーバスヘッドコーチは「最初から最後までウチのバスケを見せて、ワールドスタンダードになりたい」とその信念はブレない。