カワイ・レナードの不在、疲労の蓄積も「言い訳にできない」
現地6月26日、クリッパーズはホームのステイプルズ・センターでサンズとの西カンファレンスファイナル第4戦に臨んだが、80-84で敗れた。超ロースコアの試合展開で逆転できるチャンスは何度も訪れ、特に第4クォーターではほとんどの時間帯が1ポゼッション差の大接戦となったが、最後までそのチャンスを生かせず。これでもう負けられない1勝3敗という『崖っぷち』に追い込まれた。
ポール・ジョージは23得点16リバウンド6アシストを記録したが、フィールドゴールは20本中わずか5本の成功と、最後までシュートタッチに苦しんだ。「今日の負けは辛い。リードを奪えそうな場面は何度もあったが、得点を決められなかった」と試合を振り返った。
「大変だし厳しいけど、目の前の1試合に集中しないといけない。この意識を持って試合に臨まないといけないし、第5戦ではできる限りのことをやらないといけない。絶対に勝たないといけない試合なんだ」と、現状について語ったジョージは「ベテランである以上、試合に押し潰されないようにしないといけない」と続けた。
相棒のカワイ・レナードは膝の負傷により、ジャズとのカンファレンスセミファイナル第5戦から欠場を続けている。ケガの詳細は明らかにされておらず、このまま今シーズンはプレーできない可能性が高いと見るべきだろう。
カワイの復帰についての質問にジョージは「100%の状態でないのなら、プレーしてもらいたくない。今の状況より、長い目でコンディションを見るべきだ」と相棒を気遣った。
もっとも、カワイ以外のメンバーも万全にはほど遠い。25日間で13試合を戦っており、試合のない12日間のうち8日は移動日だ。主力にプレータイムが偏らざるを得ないプレーオフで、カワイ抜きでの戦いは消耗が激しい。このカンファレンスファイナルの前に十分に休養を取れたサンズとのコンディションの差が、シリーズが進む中でボディブローのように効いてきている。
しかし、疲労の影響を質問された指揮官のタロン・ルーは「ここまで来て疲労は言い訳にできない」と答えた。「疲れているだろうが、目の前の試合に集中して戦い抜くしかないんだ。そうやって我々はジャズを倒した。今回も同じように挑むしかない」
第3クォーターには30-19とクリッパーズが勢いに乗り、前半のビハインドを帳消しにした。だが、そこで力を使ったことで、終盤のあと一押しが足りなかったのかもしれない。
「あのペースを続けていくことは簡単じゃない」とジョージは言う。「ハードなディフェンスをして、リバウンドを取るのがまずは大事。サンズはとにかくアグレッシブだし、(ディアンドレ)エイトンをボックスアウトするのも大変だ。ボールをキープしてようやく一息つくことができる。それを1試合続けるのは大変なことだ」
レナード不在の上に、現地28日の第5戦は敵地開催のため、クリッパーズは厳しい戦いを強いられるだろう。今回の試合ではエイトンのプレッシャーに圧され、思うようにペイントエリアでの得点が伸びなかった。ジョージは「ゴールに近い位置でリズムをつかまなければ」と、インサイドの攻防が鍵になると語った。崖っぷちに追い込まれたクリッパーズはこの逆境を乗り越えられるか。第5戦も見逃せない一戦になる。