NBA開幕カウントダウン ペイサーズ~オフェンス重視路線は吉と出るか凶と出るか

2016/09/17
NBA&海外
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写真=Getty Images
ペイサーズ 2015-16シーズン成績
45勝37敗 東カンファレンス7位/プレーオフ1回戦敗退
フィールドゴール率45%(リーグ16位)
3ポイントシュート成功率35.1%(リーグ14位)
1試合平均得点102.2(リーグ17位)
1試合平均リバウンド44.2(リーグ11位)

攻撃重視のスタイルを目指しヘッドコーチ交代を決断

ペイサーズの球団社長、ラリー・バードが求めるのは、魅力的かつ勝つことができるバスケットボール。「試合に勝つには点を取らないといけない」という言葉が、彼の考えを象徴している。

ペイサーズは、チームに繁栄期をもたらした指揮官フランク・ボーゲルが浸透させた守備重視の戦術から、攻撃重視のスタイルへの改革を決断。手始めにボーゲルを解任し、アシスタントコーチだったネイト・マクミランをヘッドコーチに昇格させた。マクミランはトレイルブレイザーズのヘッドコーチとして結果を残し、アメリカ代表アシスタントコーチの経歴を持っている。3年間チームにいて、これまでの調子を引き継ぎつつ新しい方向へとチームを導くことを期待される。

プレーのテンポを上げるため、攻撃的なポイントガードのジェフ・ティーグをホークスからトレードで獲得。オールラウンダーのポイントガードであるジョージ・ヒル、守備に定評のあったビッグマンのイアン・マイミを放出したことからも、改革に対する本気度がうかがえる。

ペイサーズは昨シーズンからスモールラインナップを採用し、得点力を上げようと試みたが、オフェンスペースの速さを表す100ポゼッションでの平均得点は、2014-15シーズンに記録した100.9得点から102.4得点に上がったのみ。一昨年はエースのポール・ジョージが足の骨折でシーズン大半を欠場したことを差し引いたとしても、バードが期待した上がり幅には到達しなかったのだろう。

バードがスモールラインナップによるオフェンス強化に自信を持つ理由は2つある。一つは完全復活を果たしたジョージが昨シーズンを通してパワーフォワードでの起用に応えられたこと。ジョージ自身も、昨シーズン終了後のインタビューで、手応えを感じたと話した。

そしてもう一つはマイルズ・ターナーの急成長だ。ルーキーイヤーの昨シーズン途中から先発に定着したターナーは、新シーズンは開幕から先発センターとしての起用が濃厚。2年目のターナーを支える存在として、経験豊富でインサイドでの攻守に優れるアル・ジェファーソンを獲得できたのも心強い。

新シーズンから指揮を執るヘッドコーチのマクミラン。これまでの守備への高い意識を保ちつつ、オフェンス力向上を目指す。

スモールラインナップという『流行』に乗る賭け

ドライブからの得点力に優れるティーグと、ボールを持つ時間が多いものの卓越したクイックネスが武器のモンタ・エリスが噛み合うには少々時間を要するかもしれないが、互いに生きる術を見いだせば強力なバックコートとなる。また、オフェンス時にダブルチームの対象になるジョージへの負担も軽くなるはずだ。

セカンドユニットのガード陣にも、オフェンスに優れる選手を集めた。在籍3年目のロドニー・スタッキーはベンチから2桁得点を決められ、新加入アーロン・ブルックスは非凡な得点力を持っている。

ジョージとマイミの退団でディフェンスの悪化は避けられないだろうが、スタイルを一変させる方針を貫くと決めた以上、失うものより得るものの方が多いと信じる他にない。オフェンスをペースアップして結果に繋がれば大成功。逆に序盤時期からつまずくようなら、シーズン序盤からトレードなどでテコ入れする必要が出てくる。

冒頭のバードのコメントからも分かる通り、ペイサーズは勝つために、ウォリアーズの華々しい成功とともにリーグに浸透したスモールラインナップという『流行』に乗った。あとは結果を残し、正しい判断だったことを証明するしかない。

マイルズ・ターナーの急成長はペイサーズにとってうれしい誤算。新シーズンでも飛躍が期待される。

2016-17シーズン ペイサーズ予想ロスター
[PG]
ジェフ・ティーグ、アーロン・ブルックス、ジョセフ・ヤング
[SG]
モンテイ・エリス、ロドニー・スタッキー、グレン・ロビンソン三世
[SF]
ポール・ジョージ、CJ・ワトソン、ジェレミー・エバンス
[PF]
タデウス・ヤング、ラボイ・アレン、ラキーム・クリスマス
[C]
マイルズ・ターナー、アル・ジェファーソン