クリス・ポール

クリス・ポールは健康安全プロトコル、レナードは膝のケガ

先にカンファレンスファイナルに駒を進めていたサンズは、対戦相手がクリッパーズに決まってもそれに集中できるかどうか。クリス・ポールが健康安全プロトコルによりプレーできない状況にある影響は相当に大きいはずだ。リーグは名前を明らかにしていないが、選手1名が新型コロナウイルスの陽性反応が出たことを発表している。今、健康安全プロトコルに引っ掛かっているのはクリス・ポールだけで、彼がワクチンを接種したにもかかわらず感染してしまったのだろうと考えられる。

ワクチン接種済みで症状が出ていない場合、24時間以上の間隔を置いた2度のPCR検査をクリアすれば健康安全プロトコルが解除される。その進捗は明かされておらず、明日の第1戦は欠場することになりそうだ。

ヘッドコーチのモンティ・ウィリアムズは「今のところ復帰時期について話せる材料がない」と語っている。遠からず復帰はできるだろうが、この間はチーム練習にも参加できないため、コンディションは気になるところ。それでもファーストラウンドでケガした肩は回復しつつあり、彼のようなベテランにとっては休養が何よりのプラスになるかもしれない。

本来であればこのタイミングで、『ロブ・シティ』と呼ばれた古巣との対戦に向けた思いをポールには語ってほしかったところだが、復帰まで待つしかなさそうだ。彼が間に合わない場合はシックスマンのキャメロン・ペインが先発ポイントガードを務め、ベンチではイートワン・モアがプレータイムを伸ばすだろう。今シーズンに大きな飛躍を遂げた26歳のペインについて、デビン・ブッカーは「こういう状況に置かれると多少なりともビビるものだけど、彼は自信を持って準備している。それだけの練習をしてきたからね」と信頼を寄せている。そのペインが第1戦ではキーマンになりそうだ。

クリッパーズはカワイ・レナードを欠くことになる。膝を痛めてジャズとの第5戦、第6戦を欠場。ポール・ジョージがステップアップしてジャズを押し切ったが、カワイの欠場の穴が大きいことに変わりはない。彼はサンズとの最初の2試合が行われるフェニックスへの遠征に加わっていない。

クリッパーズは『膝の捻挫』以上に詳細な状況を発表していないが、前十字靭帯の部分的な損傷ではないかと噂され、状況としてはこの2試合だけでなく、このシリーズを全休する可能性もある。ヘッドコーチのタロン・ルーはカワイの復帰について「第1戦に出場できないのは確かだが、第2戦についてはまだ分からない。今は治療しているとしか言えず、復帰できるかどうか、それがどの試合からかと仮定の話をするわけにはいかない」とコメントしている。

キーマンの復帰について、いずれも時期は分からないもののクリス・ポールは遠からず戻ってくるはずで、この点ではサンズが有利だ。クリッパーズはマーベリックスと7試合、ジャズと6試合を戦っており、ナゲッツをスウィープして6日間の休養を経てカンファレンスファイナルに臨むサンズがコンディションの面でも優位に立つ。

ただ、勢いがあるのは激戦を制したクリッパーズだ。ジャズに4連勝した第3戦以降のポール・ジョージは平均31.8得点、9.3リバウンド、5.3アシスト、1.5スティールを記録し、フィールドゴール成功率は47.8%、3ポイントシュート成功率は44.1%と絶好調。またレギュラーシーズンでサンズと3度対戦し、平均32.3得点と相性が良い。レジー・ジャクソンはプレーオフを通して好調で、テレンス・マンもジャズ撃破に大きな貢献を果たした。

クリス・ポールとカワイ・レナードの復帰時期がシリーズの行方を大きく左右しそうだが、2人が揃って欠場するであろう第1戦で先勝した側が大きなアドバンテージを得ることになる。