ポール・ジョージ

クリッパーズは初戦を落とすも「自信を持って迷わずプレーするべきだ」

クリッパーズはジャズとのカンファレンスセミファイナル初戦を109-112で落とした。試合中盤はリードする時間が長かったのだが、第4クォーターにジャズが攻守のギアを上げるとついていけなくなり、勝負どころに覇気のない戦いぶりを見せた。それでもクリッパーズはマーベリックスに苦戦して中1日、ジャズは中5日の余裕があり、しかもホームゲームのアドバンテージもあった。初戦を落としても慌てるのではなく、立て直して自分たちのバスケを遂行することがクリッパーズには求められる。

ポール・ジョージはフィールドゴール17本中4本成功の20得点とスタッツが伸び悩んだ。それでもチーム全体がガス欠寸前だった終盤にシュートを決めて、劣勢の中でも1ポゼッション差に食らい付いた意味で、ジョージの働きは悪くはなかった。

ユタでのゲームとポール・ジョージには因縁がある。ジョージがサンダーに在籍していた2017-18シーズンのプレーオフ、ファーストラウンドで両者は対戦。この時、ポストシーズンでのジョージの勝負強さから『Playoff P』という新たなニックネームが生まれたのだが、2勝3敗で迎えたGAME6でジョージは5得点しか挙げられず、ジャズファンから嘲笑の意味での『Playoff P』コールを浴びた。翌シーズン最初のヴィヴィント・スマート・ホーム・アリーナでの試合で、ジョージは43得点14リバウンド6アシスト5スティールの大活躍を見せ、「あの時のことは忘れていない」と語っている。

今回の試合でも、ジャズファンは『Playoff P』、それに続いて『Overrated』(過大評価)のコールをジョージに浴びせた。強烈な悪意の中でジョージは淡々とプレーしていたが、試合後の会見では「ああいうのは好きだよ」と語っている。

「良い試合もあれば悪い試合もあるけど、僕にとってはすべてがリスペクトの対象だ。それもゲームの一部だし、対戦相手に望むものの一つだよ」

彼にとってユタでの試合は特別に気合いが入るものなのだろう。中1日を挟んで再びヴィヴィント・スマート・ホーム・アリーナのコートに立つジョージは「第2戦で何をすればいいのか分かった。それは収穫だし、より良い形でシュートを打てるようになるはずだ」と語る。

それはジャズのリムプロテクター、最優秀守備選手賞に輝いたルディ・ゴベアへの対策だ。「このビッグマンはペイントをふさぎ、リムを守るのが本当に上手い。そこで僕は無理してアタックに行くことが多かった」。このプレーでジョージは10本のフリースローを獲得し、そのうち9本を決めているが、第2戦ではさらに効率の良いプレーをしようとしている。

「彼のカバーの動きを利用することが大事だ。リムを守ることでミドルレンジからのシュートを打たせたいんだろうけど、自分の形であれば打てばいい。そこで今回は少し優柔不断になってしまった。自信を持って迷わずプレーするべきだ」

同じ中1日でも移動の負担がない分、コンディションの差は縮まるだろう。第2戦で相手のホームを崩すことができれば、逆にクリッパーズが優位に立つ。『因縁』も含めて気合い十分のジョージのパフォーマンスに注目だ。