藤井祐眞

文=丸山素行 写真=野口岳彦、バスケット・カウント編集部

川崎ブレイブサンダーズはNBL最後の2015-2016シーズンに優勝を果たしたものの、Bリーグになってからの2シーズンは、優勝候補に挙げられながらもタイトルを逃している。3年目の開幕に向けて始動したチームは先週、専修大を迎えての練習試合をメディアに公開。昨シーズンに『ベストシックスマン賞』を受賞した藤井祐眞に、タイトルへの思いを聞いた。

限られる優勝の機会「このチームには優勝のチャンスがある」

──現在かなり肉体を追い込んでると聞きましたが、コンディションはいかがですか?

最初の3週間くらいは筋肉痛もずっとあったんですけど、先週くらいから筋肉痛も取れてきて、身体が慣れてきました。今日の練習試合も午前中にトレーニングして追い込んだ後だったので結構キツかったです。ディフェンスのハードワークだったり、オフェンスのトランジションだったり、チームが始動して初めての5on5だったので、これまで練習してきたことを出すことを意識しました。

──こうして始動したわけですが、その前に川崎との契約延長がありました。ベストシックスマン賞の受賞など藤井選手の評価は高く、他のクラブからもオファーがあったと思います。それでも早い段階で川崎残留を決めましたが、迷うことはありませんでしたか?

僕自身が一番レベルアップできるチームが川崎だと思ったので。優勝できるチームは限られますが、「このチームには優勝のチャンスがある」と思って決めました。昨シーズンはベストシックスマン賞を受賞して、初めてそういう個人賞をもらったのでうれしかったですし、実際に周囲の人たちからもいろんな言葉をもらって、評価は上がっていると思います。

僕をスタメンで使ってくれるチームに移籍して川崎を倒すという選択肢もありました。でも僕自身まだこのチームでBリーグのタイトルを取っていませんし、やはり優勝を味わいたいので。

藤井祐眞

代表選手に頼らない『藤井祐眞の時間』を

──ファジーカス選手が日本代表に入りました。新シーズンはワールドカップの2次予選があって、篠山竜青、辻直人、ニック・ファジーカスと主力3選手が日本代表と川崎の掛け持ちをすることになります。川崎にとっては厳しい状況ですよね。

代表メンバーはハードスケジュールになりますが、海外選手と対戦したり、いつもと違う環境でやってレベルアップして帰って来ます。それはチームとしてもプラスですし、僕らは彼らを頼りすぎないバスケを目指していかなきゃいけないと思います。

──『頼りすぎない』という言葉が出ましたが、昨シーズンの川崎はベンチメンバーの得点が乏しく、オン・ザ・コート「1」の時間帯が弱みと見られていました。

そこは本当に僕らの課題だと思います。代表メンバーが出てる時間はウチの強みですが、彼らがいない時間帯に突き放すくらいの勢いでやらなきゃいけないです。それが合わさればもっと強いチームに生まれ変わると思うので。

特に2クォーターは点数が取れないと言われてましたが、僕がその2クォーターで点数を取ると流れもリズムも良くなっていきます。『僕の時間』っていうのもおかしいですけど、それぐらいの気持ちで積極的にやっていきたいと思います。

──セカンドユニットを引っ張るという意味で、「自分がやらなければ」という思いは強い?

そうですね。代表メンバーの3人に割って入るぐらいの気持ちでやっていきます。辻さんや竜青さんが出てる時間帯よりも相手が嫌だと思う、「こいつのほうが面倒くさい」って思われるようなプレーをしていきたいです。