第3戦まで続く激闘を勝ち「チームとして得たものは大きい」
琉球ゴールデンキングスとのセミファイナルは第3戦までもつれた。今日が移動日で、土曜には宇都宮ブレックスとのファイナルがスタートする。3日連続の激闘の疲れを抜いてコンディションを整え、相手のプレーを研究するための時間は短く、宇都宮には2日分の優位がある。ただ、それを言っても仕方がない。先のことを考えて勝てるほど琉球は甘い相手ではなかった。千葉ジェッツの富樫勇樹は、「3戦目までいきたくなかったというのが正直なところですけど、しっかり気を引き締めて、気持ちを切り替えて戦った結果だと思います」と、セミファイナル第3戦を振り返る。
「でも、確かに1試合多くやって疲労どうこうはあるかもしれないですけど、それ以上にチームとして得たものは大きいと思いました」
3月下旬からコロナの影響で試合がなくなり、4月中旬の再開から3連敗。しかし、そこから立ち直ってレギュラーシーズンを9連勝で締めた。チャンピオンシップでも引き続き勝ち続けていたが、琉球との第2戦で連勝はストップ。それでも「もちろん勝ち続けていた時もいつかは負けるのは分かっているんですけど、やっぱり負けた時の雰囲気はちょっとグッとくるものがあります。でも、しっかりチームとしては切り替えできたのかなと」と富樫は言う。
「なんかこのまま綺麗に勝ち続けてファイナルに行くのと、第2戦のような試合の入り方だったりゲームの締め方だったり、その2つで完全にやられてしまって、ファイナルに向けての準備という意味でも、この第3戦は大きかったのかなと思います」
「良い時と悪い時、チームの雰囲気も含めてあったシーズンなので、でもファイナルに向けて本当に良い状態というか、チームとしては一番良い状態で臨めると思います。この1年間、ファイナルで勝つためにやってきているので、それだけに集中できます」
「そこに対する思いはやっぱり他のチームよりも強い」
琉球との激闘の中でも宇都宮の試合を見ていたかを問われた富樫は「もちろん」と返す。「おお、そういう感じねと(笑)」
「見たことのないビッグラインナップをしていて、千葉を相手にどう戦ってくるかは分からないですけど、必ずああいうスイッチのディフェンスをしてくるとおもいますし、プラスしてリバウンド。結局、今日の試合も含めリバウンドで上回ったチームが勝っているので、川崎と宇都宮の試合を見ていても初戦もかなりのオフェンスリバウンドの差があって、そこかなと」
Bリーグ初年度はブレックスが優勝した。その後の2シーズンは千葉がファイナルに進出しているが、いずれもアルバルク東京に敗れている。新型コロナウイルスの影響でチャンピオンシップがなかった昨シーズンを別にすれば、千葉にとっては3回連続のファイナル進出となる。
「去年はリーグが中止になってしまいましたけど、その前の2年間はファイナルで敗れているので、そこに対する思いはやっぱり他のチームよりも強いと思うので、チームで取るだけかなと。ちょっと時間的には短いですけど、その中でも最大のしっかりとした準備をして臨みたい」
5月29日からBリーグのベストチーム2つが横浜アリーナで激突する。レギュラーシーズン終盤から勝ちに勝ちまくった千葉は、琉球との第3戦までもつれる激闘も制して士気は高い。『三度目の正直』でのBリーグ制覇が実現するかどうか、その舞台で富樫がどんなプレーを見せるのかにも注目だ。
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