ケガ人も徐々に復帰し「今までで一番良い合宿」と手応え
バスケットボール女子日本代表チームは、今夏に開催予定の東京オリンピックに向けた第4次強化合宿を5月14日から5月23日の期間で実施している。
7月23日に開幕する東京オリンピックまであと2カ月となり、トム・ホーバスヘッドコーチは「フィニッシュラインは見えているけど、まだ遠い。だから今回の合宿もちょっと変えてみました」と今回の合宿を振り返った。
「みんなフィジカルもメンタルもちょっと疲れていると思うから、今回は練習メニューをいろいろと変えて、練習も少し短くしています。5対5はちょっと増えたし、メンタルリフレッシュになっているかな。みんなすごく頑張っているし、新しいゾーンオフェンスとかも入れていて、今までで一番良い合宿だと思う。ケガをしている宮澤(夕貴)も少しずつ練習に入っているし、本橋(菜子)もプレーが増えてきて、良い雰囲気になった」と指揮官は手応えを語った。
その一方で、リハビリ中のエース、渡嘉敷来夢については「あと2カ月しかないから彼女が間に合うかどうかは分からないけど、本当に頑張っています」と現状を明かした。
ホーバスヘッドコーチが求めるバスケットはフォーメーションやチームルールが多く、どの選手も合宿の最初には「覚えることに必死」と語る。それでも合宿を重ねることで、新しいことを取り入れつつ、ケミストリーを構築し、ホーバスヘッドコーチは「この合宿でウチのバスケットはキレイになった」と話す。
「日本女子のバスケはすごく頭を使うから、新しいプレーもディフェンスもオフェンスも、みんなすごく考えています。何が足りないとか、タイミングとか、どの角度が良いとか、いろいろと考えないといけないからちょっと時間がかかります。それでも、みんな何回も練習をして今はキレイになってきています」
「若さを言い訳にせずに今はやれています」
オンライン会見にはホーバスヘッドコーチが「毎年、誰かがステップアップするけど、今年もひまわりかなと思う」と太鼓判を押す、赤穂ひまわりも参加した。185cmと長身ながらスピードを生かしたドライブ、そしてアウトサイドシュートも打つことができる赤穂の存在は、世界と戦う上で代表チームには欠かせない。
赤穂は「今までスタートでやっていた選手にケガ人が増えてしまって、私はスタートの中でも若い方でしたが、若さを言い訳にせずに今はやれています」と合宿を振り返った。
まだ22歳と若く、チーム内では下から数えた方が早い。それでも「トムさんからはプレー面にプラスアルファして、リーダーシップではないですが、声掛けなどをどんどんできるようにしてと言われています」と言う。「トムさんのバスケをやっている経験は下の方ではないので、次の課題ではないですが、ちゃんと声を出していかなきゃと思っています。今はまだ全然できていないけど、これからやっていきたいです」
合宿を重ねるごとに、若手が心身ともに成長し、チームケミストリーの向上も進んでいる女子日本代表チーム。指揮官が言う「キレイなバスケット」をあと2カ月でどこまで仕上げることができるのか。東京オリンピックでの金メダル獲得を狙う日本代表の挑戦に期待したい。