ブルズ

「来シーズンは絶対に同じ轍を踏まない」

オールスターのザック・ラビーンを軸としたブルズは、今シーズンは少なくともプレーイン・トーナメントには進出できるのではないかと予想されていた。

シーズン途中にはマジックからオールスターのニコラ・ブーチェビッチを、セルティックスからもダニエル・タイスをトレードで獲得し、プレーオフ争いに挑むための体制を整えたかと思われたが、結果は31勝41敗で東カンファレンス11位。10位のホーネッツとは2勝差で、プレーイン・トーナメント進出を逃した。

球団運営部代表のアルトゥラス・カルニショバスは、レギュラーシーズン最終戦から一夜明け、「非常に残念だ」と心境を語った。

「タレントをロスターに加える。そして成長して戻ってくる。もうポストシーズンを座って見ている状態にはしない」とカルニショバスは、オフシーズンの補強を約束した。「我々が出場しないポストシーズンの試合など見たくもない。私は競争心が強い性格なんだ。ウチの選手たちもがっかりしている。来シーズンは絶対に同じ轍を踏まない」

カルニショバスは、シーズン序盤から物議を醸した新型コロナウイルス関連の健康と安全の基準による影響が大きかったとも主張した。また、接戦を落としたゲームが多かったことも、4年ぶりのプレーオフ進出を逃した要因と分析する。

「選手、ファンの気持ちを考えると、今もプレーできていない状況が残念だ。シーズンを通して接戦に勝てなかった。取り返しのつかない状況を自分たちが作ってしまった。ただ、勝つ方法を学ぶのは、チームの転換期に起こること。今はそういう時期だと思っている。安定したプレーができるのはチームの成長、成熟の証で、そういうチームが逆境にも対応できる。練習時間の欠如、休養を取るのが難しかったのは事実だが、それは他のチームも同じ条件。挽回できるチーム、成熟したチームなら、目の前の試練を乗り越えられる」

カルニショバスが挙げた今シーズンの問題点は、大きく分けて3つで、リーグ27位のターンオーバー(15.1)、同最下位のフリースロー試投数(17.5)、そして積極性だ。

「オールスターブレーク以降、チームのオフェンスが停滞した。シュートを決められなかった。ディフェンスに関しては、100ポゼッションあたりの平均失点はリーグ12位(111.5)と悪くなかった。守備に問題があると指摘されてきたが、ここ15試合ではリーグ6位の数字を残せた。最大の問題はオフェンスの停滞だ。試合に勝つには、シュートを決めないといけない」

「この経験から私たちは学ぶ。今シーズン上手くいかなかったことが今後起こらないようにする。今後もチームの強化していく。トレード、フリーエージェント選手との契約、ドラフトで強化する。今年の夏は大事だ。シーズンを分析し、オフシーズンの優先事項を決める」

補強に関して触れたカルニショバスだったが、ブルズはブーチェビッチを獲得した際に、2021年ドラフト1巡目指名券を譲渡している。もし、来月のドラフトロッタリーで全体1から4位指名権を獲得できれば譲渡しなくて済む保護条件付きのため、運も重要なファクターになる。

ラビーン、ブーチェビッチ、パトリック・ウィリアムズ、コービー・ホワイトはチームに残るだろうが、フリーエージェントになるラウリ・マルカネン、タイス、ギャレット・テンプルと再契約を結ぶかは分からない。

カルニショバスがどういう手を使って新たなチームを編成するのか、オフの動向に注目だ。