レギュラーシーズン最終戦のウォリアーズvsグリズリーズ、西の8位を巡る争いは実質的に『プレーイン・トーナメントの初戦』

レギュラーシーズン最終戦のウォリアーズvsグリズリーズ、西の8位を巡る争いは実質的に『プレーイン・トーナメントの初戦』

2021/05/16 19:40
ジャ・モラント

勝てば西の8位、ステフ・カリーとジャ・モラントの一騎打ちに?

NBAのスケジュールは時に図ったようにシーズン最終戦が『プレーオフ進出を懸けた直接対決』になります。今シーズンはウォリアーズとグリズリーズが、西の8位の座を巡って最終戦でぶつかります。変則スケジュールでプレーイン・トーナメントがあるため、『運命の大一番』とは言えないものの、勝って8位になれば『1勝すればプレーオフ進出』なのに対して、負けると『2連勝しなければプレーオフに進めない』と状況に大きな差が出てきます。実質的に『プレーイン・トーナメントの初戦』とも言える直接対決です。

それぞれポイントガードのステフィン・カリーとジャ・モラントがチームの中心ですが、その役割は大きく異なり、得点王を狙うカリーはオフボールでの運動量でフリーになり、自らの得点でチームを勝利に導くのが仕事ですが、モラントはゲームを作ってチーム全体を機能させるのが仕事。加えて3ポイントシュート中心のカリーに対して、インサイドゲームを構築するのがモラントのため、同じポジションとは思えないくらいの差があります。いずれにしても両チームが相手エースをどうやって止めに行くかがキーポイントになります。

ビッグマンを優勝経験豊富なドレイモンド・グリーンとケボン・ルーニーの2人を中心とするローテーションに切り替えてからのウォリアーズは、緻密なチームディフェンスで相手のやりたいことを封じ込めています。サイズがないものの高さの不利を感じさせることは少なく、素早いヘルプとパスコースを的確に消すことでビッグマンへの合わせのプレーをやらせません。

5月になってから8勝1敗と好調のウォリアーズは、平均失点がシーズン平均よりも6点以上少ない106.4点と抜群のディフェンス力を発揮しており、特に被アシスト数が21.4と少なく、連携を消しているのが特徴です。これに対してグリズリーズオフェンスはリーグ4位のペイント内得点を誇り、モラントのドライブからインサイドを攻略していくのが得意技です。

相手の良さを消すディフェンスで優勝してきただけに、ウォリアーズのチームディフェンスが上回りそうなインサイドの攻防ですが、大一番でステップアップしてチームを勝たせてこそスーパースターです。普段はコントロールに徹することも多いモラントが、積極的にアタックしていくことでウォリアーズの狙いを粉砕する。グリズリーズの勝利にはそんなプレーが欠かせません。

一方、グリズリーズのディフェンスが動き回るカリーへの対応は難しいミッションになります。最近のウォリアーズは、誰もがスクリーナーになることで、カリーをフリーにする意識がより高まっており、一つのプレーを止めても、2つ、3つとオフボールプレーが連続し、ディフェンスを混乱させます。グリズリーズは鍛えられたチームですが若い選手も多く、カリーを完全に止めるのは難しそうです。

チームの経験値が高いウォリアーズが攻守にアドバンテージを得て、自分たちの得意な展開となるトランジションの連続を生み出しそうですが、それはグリズリーズにとっても悪いことばかりではありません。シーズンを通してプレータイムをシェアしてきたグリズリーズは層が厚く、ベンチメンバーの誰が出ても同じように戦うことができ、ハイペースの消耗戦になった時に強みが出てきます。またリバウンドやルーズボールにも強く、速い展開からミスが増えて乱戦模様になってもハードワークで対抗できます。カリーが高確率で決められない事態が起こると、モラントがスピードを生かしたカウンターアタックを連発しそうです。

8位を巡る激しい戦いとなることが期待される最終戦ですが、プレーインでの再戦も考えられるだけに、お互いの手の内を探るような駆け引きもありそうです。特にグリズリーズの指揮官、タイラー・ジェンキンスはタイムアウトを使って細かい修正を施すのが上手く、チャレンジャーとして様々な戦略を駆使してきそうです。

いずれにしても両チームは最終戦に勝って勢いを持ってプレーインも1試合で切り抜けたいはずです。一足早くプレーオフのヒリヒリした戦いの火ぶたが切って落とされます。

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